にっぽんの旅 東海 静岡 三島

[旅の日記]

三島 

 今回は、三島の散策です。
夜遅くにJR三島駅に到着し、明日に備えて一夜を明かします。
そして迎えた朝一番、早速三嶋大社を訪れてみることにします。

 三島駅の南、浅間神社の辺りから三嶋大社までは水上通りを歩いてきます。
この通りに沿った堀には澄んだ水が注がれ、道沿いの家々には堀を越えるための石橋が架かっています。
またこの辺りは「水辺の文学碑」と称され、三島を詠んだ詩や句が石に刻まれ、道のあちこちに立っています。
それをひとつひとつ読みながら歩いていきます。

 水上通りを10分も歩けば、三嶋大社の西門に着きます。
ここ三島神社は、大山祇命(おおやまつみのみこと)、積羽八重事代主神(つみはやえ ことしろぬしのかみ)、御二柱の神を総じて三嶋大明神と称しています。
創建の時期は明らかにはなっていませんが、奈良・平安時代の古書にも記録が残っている古くから厚い崇敬を受けてきた神社なのです。
そして、源頼朝が源氏再興を祈願し旗挙げをした場所でもあります。
源頼朝、北条政子の数々の史跡が、この辺りには点在しています。
今日はそれらすべてを見て回る時間がありませんが、せめてこの三嶋大社だけでもじっくりと見て行くことにします。

 境内には樹齢1200年と推定される金木犀があります。
天然記念物にもなっており、高さ10m、250m2にもおよぶ大きなものです。
境内中央に舞殿があり、その奥に拝殿があります。
社殿は権現造りで、雨風に耐えてきた欅(けやき)の柱のこげ茶色が、屋根瓦と相まって壮厳な美しさを放っています。
神門の外には神池が水を湛えており、朱色に輝く石橋がまぶしく目に映ります。

 さて、三島は富士の湧水が流れ出す水の都とも呼ばれています。
三島の街を南北に貫く源兵衛川は、わき水を農業や生活に使うために人の手で作られた用水路です。
川辺に沿っては、静かに流れる清流と周りの緑のなかを散策することができます。
川には鯉が放流され、噴水と水車が人の心を慰めてくれます。

 三島駅に向かって北側に進むと、「ほたるの里」という場所があります。
水が滞り湿地状態になっていた蓮沼川の上流に人工的なせせらぎを作り、蛍が生息できるまでになったところです。
ちょうどこの時期(5月下旬)が蛍の舞う時期ですので、夜にはほのかに灯る可憐な光景が見れるはずです。

 この辺りは、三島市立公園 楽寿園の裏手に当たります。
三島駅まで戻って、楽寿園を訪れてみることにします。
楽寿園は、小松宮彰仁親王が1890年に別邸として造営したもので、富士山の雪解け水が湧き出す小浜池と自然木に囲まれた庭園は、美しい景観を守り続けています。
中には動物や遊戯の乗り物広場などがあり、市民の憩いの場になっています。

 市内至る所に清流があり、町全体が清いイメージのある三島でした。
三嶋大社の門前町として栄えた三島を満喫した春の1日でした。

 
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