にっぽんの旅 東海 静岡 舘山寺

[旅の日記]

浜名湖の舘山寺温泉 

 浜名湖にうなぎを食べに行ってみます。
でもただ単に行ってもおもしろくないということで、今回は電車乗り継ぎの旅です。
大阪難波を出発し、近鉄で名古屋に。
この近鉄行きの特急「アーバンライナー」は中が広くて、快適な旅です。
名古屋からは、名鉄に乗替えて豊橋へ。
名鉄の特急は、運よく1番前の座席がとれたのです。
この電車は最前部が2階構造になっている二階席、運転室の邪魔がなく眺めは満点です。
その先の2駅だけをJRに乗換え、今度は天竜浜名湖鉄道です。
2両連結のローカル線で、浜名湖の北側のマイナーな地を走ります。
気賀駅では待ち合わせていた車に乗換え、やっとのことで浜名湖に到着したのです。

 浜名湖の畔、浜松の西に広がる「舘山寺温泉」が本日の宿です。
その日は歩き回ることもせずに、夕食までは浜名湖を巡る遊覧船に乗り夕暮れの湖面を楽しみます。
吹く風が涼しく、気持ちが良いものです。
湖からは「舘山寺温泉」のホテル街を眺めることができます。

 夕食は遠州灘で採れた新鮮な魚、そして浜名湖のうなぎが食卓を飾ります。
今日は疲れたのか、ビールがどんどん進みます。
遊覧船の船上でビールを空けたはずなのに、まだまだ入ります。
多分食事前に飲んだビールは、温泉に浸かることでアルコールが抜けてしまったのでしょうと、勝手な解釈をして飲むことを正当化したのでした。

 翌朝はこの地の示す「舘山寺」に参りに行きます。
ホテルからは2分ほどの場所にある、小さな寺院です。
そして横には、びっしりと絵馬が吊るされている「縁結地蔵尊」があります。
「舘山寺」は810年に弘法大師が高野山から仏道行脚に旅立った時に舘山を訪れました。
この地において修行しその際に開創したのが、「舘山寺」なのです。
1187年にはこの地を訪れた源頼朝公が、武運長久の祈願寺として諸堂を再建しました。

 「舘山寺」の横には、727年に建立された「愛宕神社」もあります。
1703年には殿焼失しますが、同年に再建されたのが今の姿です。

 それでは「舘山寺」の裏山に登ってみます。
中腹にある「舘山寺穴大師」は山肌に洞穴を掘ったものです。
ここは弘法大師様が「舘山寺」を建立された時に、仮堂として使った古墳です。
石を積んで壁を固めた真っ暗の穴の中は、ずらりと絵馬が並び祀られています。
といっても裸眼では見ることができず、カメラで写真を撮って初めて気づいたのでした。

 山頂まで登り切ると、浜名湖を一望できる展望台に辿り着きます。
さっそうと走るモーターボートが尾を引く白い筋が、湖面に模様を描いています。
展望台の反対側には「舘山寺聖観音菩薩」があります。
高さ16mの観音像は、1937年に浜名湖の象徴として建立されたものです。
昨日乗った遊覧船から見えていたのは、この観音像だったのですね。

 山を下りた後は、「舘山寺温泉」の町をぐるりを回ってみます。
湖岸ではなく海岸線と表示のある遊歩道を歩いて行きます。
まず最初に目に入ったのは、温泉地ならではの足湯です。
町にはいくつかの足湯がありますが、ここの「水神の松」の足湯は人影もなくゆっくりできます。

 さらに海岸線を進んで行くと、「浮見堂」があります。
長さ45mの桟橋の先端にある東屋です。
ここからは湾の対岸にある大草山に通じるロープウェイが見えます。
それではその「かんざんじロープウェイ」に乗ってみることにしましょう。

 大草山のてっぺんからは、浜名湖が一望できます。
そして昨晩停まった温泉街を、見下ろすことができるのです。
さすがロープウェイを使ってやって来た甲斐がありました。

 ここからは少し離れたところにある「龍潭寺」を訪れます。
ここは733年に行基によって開かれた寺院です。
戦国時代の武将 井伊直盛の娘「井伊直虎」の墓がある寺です。
直盛には男子がおらず、従兄弟の井伊直親を婿養子として迎えます。
直盛の死後は「井伊直虎」の婚約者として井伊家の跡を継ぎますが、今川氏真によって殺害されます。
その後井伊家を取り仕切ったのが「井伊直虎」で、女武将として活躍したのです。
「龍潭寺」の本堂北庭に築かれた池泉鑑賞式庭園があり、その見事な築山を眺めることで心が洗われるのでした。。

 もうひとつ、足を伸ばしてみます。
「竜ヶ岩洞」は、1981年に発見された鍾乳洞です。
2億5000万年前に生成された石灰岩で、この鍾乳洞は形成されています。
1046mのうち400mが公開されており、洞窟の中には落差30mの滝も流れています。

 そして恒例のお土産探しですが、浜名湖と言えばうなぎ、うなぎと言えば定番の「うなぎパイ」でしょう。
夜のお菓子のイメージが強い「うなぎパイ」ですが、立派な浜名湖銘菓です。
サクサクで甘味のある「うなぎパイ」は、誰もが喜ぶお菓子です。
軽くて美味しい、お土産にはうってつけの一品なのです。



   
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