にっぽんの旅 東海 静岡 浜松

[旅の日記]

浜松 

 本日は、浜松の街を歩き回ります。
浜松は、徳川家ゆかりの地。これから、家康の歴史を追って街を巡ってみます。
遠州鉄道の新浜松駅から流線型の赤い電車に乗り、2駅先の遠州病院前駅まで揺られていきます。

 遠州病院前駅に降りると、駅前交番の裏手に「徳川秀忠誕生の井戸」があります。
徳川2代目将軍の秀忠が、産湯に使ったとされる井戸です。
秀忠は、将軍職には就いたものの実権は父家康が握っており、駿府城から指示が飛んでいたと言われています。
一方、秀忠が将軍在職中に、武家諸法度・禁中並公家諸法度をはじめ、大名の統制・幕府機構整備などの基礎を定めました。

 井戸から北に500mほど行ったところには、「椿姫観音」があります。
飯尾家第5代女城主、お田鶴の方を祀る観音さまです。
引間城を最後まで死守していましたが、1568年家康との戦いに敗れてしまいます。
お田鶴の方の死を哀れに思った築山御前は、討ち死にした場所に百余株の椿植えたことから「椿姫塚」と呼ばれるようになったのです。

 いよいよ「浜松城」ですが、その前に「東照宮」に立ち寄ります。
坂を登ったところに、ひっそりと建っているのが「東照宮」です。
前述の引間城後に建てられた神社で、名前が示すように家康を祀っています。

 元城小学校を挟んだ市役所の脇に、「浜松城」への登り口はあります。
坂を登っていく途中に、徳川家康の像があります。
浜松城の高台から、今でもここ遠州の地を見下ろしているようです。

 一方、「浜松城」は武田信玄の駿府侵攻に備え、遠州一帯を見渡せる三方ヶ原の丘に築いた城です。
南北約500m、東西約450mの城郭をもつ浜松城は、天守曲輪、本丸、二の丸、三の丸が隣接しながらも階段状になっている梯郭式の築城法をとっています。
家康は、17年間をここ浜松城で過ごします。
姉川、三方ヶ原、長篠、小牧・長久手の各合戦は、この時期のものです。
特に三方ヶ原の合戦では、武田軍3万人に対してわずか1万人足らずの家康軍は苦戦を強いられました。
崖に白い布を架けて橋と見せかけ、奇襲攻撃を仕掛けて慌てた武田軍を崖下に転落させた話は有名です。
また浜松城の歴代城主は幕府の要職に就いた者も多く、この城が出世城と呼ばれる所以です。
浜松城の地下には井戸が、階上には合戦で使った武器が展示されています。

 「浜松城」の入り口の市役所別館の道路脇には、「鎧掛松」があります。
三方ヶ原の合戦から帰った家康が、脱いだ兜をこの松の枝に掛けたと言い伝えられています。

 浜松城のある浜松城公園は、芝の敷かれた広場や日本庭園となっており、自由に散策することができます。
また浜松市美術館も敷地内にあります。

 それでは、ここから少し歩き、「普済寺」を目指します。
1400年前後に随縁寺として建立された曹洞宗の「普西寺」ですが、徳川家康によって焼かれてしまいます。
ところがその後家康自身が復興しており、今は幼稚園が併設されています。

 その先に少し歩いたところには、「宗源院」があります。
こちらも曹洞宗のお寺で、今川氏の庇護をうけ今川義元・氏真父子の判物が現存しています。
寺の東南一帯には的場があり、徳川家康が当時ここで弓の稽古に励んだといわれています。

 さて、家康の足跡を見て回った後は、JR浜松駅までバスで戻ります。
浜松で有名なものと言えば、うなぎと浜松餃子です。
まずはラーメン屋に飛び込み、昼食に浜松餃子を注文します。
見た目で驚かされるのは、餃子なのに茹でたもやしが付いてくることです。
そして餃子を口にすると、具は野菜が多く意外とさっぱりています。
なんと餃子の消費量は、国内で一二を争うほどだそうです。

 食べ物以外でも浜松と言えば、楽器の街でもあります。
ヤマハ、カワイ、ローランドといった、日本有数の楽器製造会社が集まっています。
それでは、駅近くの「浜松市楽器博物館」に寄ってみましょう。
館内には、日本をはじめとする世界各国の民族楽器が展示されています。
その中でもやはり目を引くのが、ピアノ、オルガンをはじめとする鍵盤楽器ルームです。
両側から2人で弾くことのできるピアノなど、珍しいものが数多く展示されています。

 その他駅前通りをブラブラして、夕食はお待ちかねのうなぎです。
うなぎの焼き方には、白焼の状態で蒸してからタレをつけて焼いた柔らかい関東風のうなぎと、初めからタレをつけて焼きカリっとした食感の関西風うなぎがあります。
うなぎの本場で関東・関西の真ん中に位置する浜松はどちらなのかと気になっていたところでしたが、入った店は関西風の焼き方でした。
聞くところによると、ここ浜松では両者が混在しているとか。
店によって異なり、好きな味を選べるということだそうです。
こうしておなか一杯うなぎを頬張り、1日は過ぎて行ったのでした。

 
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