にっぽんの旅 東北 福島 福島

[旅の日記]

福島 

 いま、福島駅にいます。
JRと新幹線、阿武隈急行線、福島交通飯坂線が集まるターミナルです。
2011年の起きた東日本大震災で、大打撃を受けた町とは思えないぐらい駅前は賑わっています。
あれから7年経った今日、改めて当時のことが目に浮かびます。
マグニチュード9.0という未曾有の大災害を乗り越えてきた人々に、驚くばかりです。
そんな福島を巡ってみましょう。

 まず向かったのは、駅から東南の方向にある「御倉邸」です。
街中に残る蔵を眺めながら、街を歩いていきます。
駅から1kmほど離れた阿武隈川の畔に、「御倉邸」はあります。
江戸時代にこの辺りは、阿武隈川を利用した舟運が盛んなところでした。
福島の経済も発舟運に助けられ、大きな発展を遂げてきました
1899年には東北初の日本銀行出張所が福島に開設され、東北の経済に大きな役割を果たしてきました。

 1927年にこの地に、純和風建築の旧日本銀行福島支店長役宅が建てられました。
木造平屋建の日本庭園をもつ邸宅です。
阿武隈川の景観をも庭の一部とし、ガラス張りの縁側からはその眺めを独り占めすることができます。
また縁側の床が畳であることも、珍しくまた嬉しい造りです。
現在は福島市が「御倉邸」として管理し、内部を公開しています。
隣には旧米沢藩の米蔵も復原されています。

 それではここから、北上して行きましょう。
福島県庁の周辺にある「杉妻城跡」「福島城跡」を越えて、駅前から延びる大通りを横切ります。
その先にあるのが、「福島聖ステパノ教会」です。
東北地方への布教の拠点となったところです。
建築後100年を超える聖堂は、古さを感じされません。

 ここからは、東に向かい、福島の誇る神社に向かいます。
大きな鳥居をもつのは「福島稲荷神社」です。
特に絵馬殿は有名で、福島藩主 堀田正虎が寄進した「御能之図」もここに飾られていました。
入母屋造の建物は、かつては拝殿であったものです。
どおりで立派なはずです。

 「福島稲荷」は、987年に陰陽師 安倍晴明が朝廷の詔を奉じて奥羽下向を行った際に立ち寄ったのが、この場所です。
信夫山の自然と阿武隈川の清流に囲まれ、その景勝は目を見張るものがあったようです。
晴明はここに社を建て、衣食住を司る豊受比売大神を勧請したのが「福島稲荷」のはじまりです。
福島旧城下町の総鎮守で、祭や初詣で多くの人がここを訪れるのです。  駅前でめぼしいところはないかと訪れたのが、このような場所です。
短時間での散歩でしたが、元気な福島を見て一安心したのでした。

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