にっぽんの旅 信越 長野 渋温泉

[旅の日記]

地獄谷野猿公苑と渋温泉 

 今回やって来たのは、「渋温泉」です。
長野電鉄の湯田中駅から、バスで向かいます。
本日は、ここで温泉巡りをしてみましょう。

 その前に、珍しい温泉があると聞いて行ってみることにします。
近くまではバス停で向かいますが、バス停からはさらに30分ほどの山道を進みます。
横湯川沿いの参道を歩いて行きます。
車が出入りしない場所に、その温泉はあるのです。
目的の温泉からの帰りでしょうか、2〜3組の人とすれ違います、というより2〜3組としか出会わないのです。
ワクワクしながら、さらに歩いて行きます。

 しばらくすると視界が開け、横湯川の対岸に温泉宿が見えます。
「地獄谷温泉」で、川辺の坂にへばりつくようにして宿があります。
対岸には橋を渡っていくのですが、その橋のたもとに空に向かって湯が噴出している風景を目にします。
「地獄谷噴泉」で、20mの高さまで熱泉が噴出しています。
水しぶきに虹が映り、7色に輝いています。

 ここがお目当ての温泉かというとそうではなく、お目当ての場所への入口になるのです。
ここから階段を上ったところに「地獄谷野猿公苑」はあります。
入口で料金を払って、中に入っていきます。
ここは猿が温泉に入るということで、有名なところです。
季節は秋で、まだ猿も好んで温泉に浸かる時期ではなかったのですが、1匹の猿だけが温泉を楽しんでいました。
ところが猿の社会にもルールがあるようです。
まだ温かいこの時期に、温泉に入ることは許されないのでしょうか。
ボス猿がやってきて、温泉に浸かっていたさるは殴られてしまいます。
怒られてしょんぼりしたのか猿は動かなくなってしまい、やがて山の方に帰って行ってしまいました。

   
   

 それ以外にも猿の入る温泉の周りには、多くの猿が群れを成しています。
互いに毛づくろいをするもの、子猿をあやしている親猿、のんびり寝そべっているものなど、人間の生活と同じです。
温泉に入る風景を観察できるように、猿達はここで餌付けをされているのです。
温泉以外にも川辺に繰り出している猿もいます。
ここは猿の楽園なのです。
「地獄谷野猿公苑」で野生の猿とともにのんびり過ごしたのです。
1時間近く滞在したのでしょうか、再びバス停に戻り今度は人間の温泉に向かいます。

 バス停の手前には小さな「上林温泉」が、そして「民俗資料館 豪雪の館」があります。
バスが来るまで、この辺りをブラブラして時間をつぶします。
やがてやって来たバスで、「渋温泉」に向かいます。

 横湯川に架かる橋には「渋温泉」の提灯がかかり、温泉地であることが判ります。
「渋温泉」には9つの外湯があり、外湯めぐりを楽しむことができます。
宿泊客は札を持って、9つの温泉を巡ります。
日帰りでも入浴はできますが、入ることができるのは大湯1ヶ所に限られ、しかも時間も夕方までとなっています。
それでは順に温泉を廻っていきましょう。

   
   

 通りには浴衣姿の宿泊客が、下駄を鳴らしながら通りを歩いています。
今回は四番湯から始まり、九番湯までを渡り歩きます。
九番湯の渋大湯まで来ると、その前に道祖神があります。
興味本位で覗いてみます。
道祖神と通りを挟んで、山側に石段が続いているところがあります。
石段を上り詰めたところに、社殿が建っています。
ここが「渋湯神社」です。

 「渋湯神社」の先には、まだ訪れていない一番湯から三番湯までを巡ります。
通りに沿って3つの温泉が続きます。
それでは再び一番湯の辺りまで戻りましょう。

 「渋湯神社」から歩いてわずかなところに、「金具屋」という旅館があります。
4階建ての和風の建物は、3つの大浴場と5つの貸切風呂を有します。
源泉100%の掛け流しの火山性高温泉です。
わずか29室で8つの風呂があるのは、贅沢なものです。
そしてここが有名になったのは、宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」の舞台ともいわれているからです。
陽が高い時の建物前景と、日が暮れてから灯りがともる旅館の姿を、時間をつぶして撮影したのです。

 すっかり陽が落ちて、温泉街も闇の中に呑まれていきます。
「渋温泉」に続いて「安代温泉」があります。
こちらは「渋温泉」に比べると、人通りがまばらです。
「開花湯」と「安代大湯」が公衆浴場として利用できるのです。

     

渋温泉
一番湯初湯
二番湯笹の湯
三番湯綿の湯
四番湯竹の湯
五番湯松の湯
六番湯目洗いの湯
七番湯七操の湯
八番湯神明滝の湯
九番湯渋大湯
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