にっぽんの旅 九州 佐賀 基山

[旅の日記]

基山の甘木鉄道 

 JR鹿児島本線の佐賀県の基山駅から延びる電車をご存知でしょうか。
「甘木鉄道」というローカル線があります。
何がと言う訳ではないのですが、何か引かれるものがってやってきてしまいました。

 JR基山駅は、同じ佐賀県の鳥栖駅の北側にある小さな駅です。
30年前にここを訪れた時には、「基山で行けるところは全部行く」と言われて基山の住民に連れて行かれたのが、基山の町中のすべての飲み屋を巡る町巡りだったのです。
そんな思い出の町ですが、なぜこんなところが終着駅なのと思うような「甘木鉄道」を見てみたかったのです。

 JR基山駅前は人影もまばらで、JR鹿児島本線の電車が付いた直後は見かけた人もやがていなくなり、動きのあるのは巡回中のミニパトだけとなりました。
パトカーからは、見慣れない人間が駅前をうろついていると見られたことでしょう。
仕方がないので、早々に「甘木鉄道」のホームに入ることにします。

 ホームで待つこと20分、折り返しの列車がやってきました。
もちろん単線のワンマンカーです。
緑と黄緑のツートンカラーの車体です。
「甘木鉄道」は、福岡県朝倉市の甘木までの14km弱を結ぶレールバスです。
1939年に開通した国鉄甘木線は、陸軍の太刀洗飛行場への輸送手段として建設されました。
その後は、太刀洗飛行場跡に開設されたキリンビール福岡工場の貨物輸送を担っていましたが、輸送手段が鉄道からトラックに移って行く中、次第に甘木線の収益も悪くなっていきます。
国鉄のJRへの民営化に伴い、甘木線も廃止対象となっていきます。
そして1986年に第3セクターの「甘木鉄道」が誕生したのです。

 佐賀県基山駅から発車した列車は、次の立野駅に着きます。
ここは九州自動車道の高架下を利用して、天井要らずの駅舎になっています。
そして次の小郡駅では、既に佐賀県を外れて福岡県に入ってしまいました。
西鉄天神大牟田線との連絡駅ですが、もちろん「甘木鉄道」にとっては無人駅です。
始発の基山駅でさえ駅員が居ないのですから、ここは仕方ありません。

 ということで、佐賀の電車の旅はわずか2駅で終了してしまいました。
行き当たりばったりの電車の旅、次なる行き先を探すことにしましょう。

旅の写真館