にっぽんの旅 九州 長崎 佐世保

[旅の日記]

西の軍港 佐世保 

 今日は、佐世保に来ています。
ハウステンボスには来たことがあるのですが、佐世保の町は素通りでしたので、今回改めての訪問になったのです。

 JR佐世保駅には、「日本最西端佐世保駅」の看板が掲げられています。
あれっ、最西端は松浦電鉄のたびら平戸口駅ですが、ひょっとして看板の下に小さな字で書かれている「JR」はJRの駅の中で最西端ってこと?でしょうか。
腑に落ちないまま駅の裏手の港を覘いてみます。
左側の岸壁には、自衛隊の艦船が見えます。
近くまで岸壁を辿ってみますが、案の定途中までしか進めません。
フェンスで遮られた場所で遠くの艦船に向けてカメラを向けていると、海から監視用と思われるボートが近づいてきました。
折り返して駅の方に歩いて行っても、海上からしつこく付きまとわれたのでした。

 また右手のフェリー乗り場の奥には、米軍の艦隊が頭を出しています。
「ボノム・リシャール」という名の強襲揚陸艦です。
翌日船に乗って近くまで行った時の写真がありますので、本旅行記の最後に載せておきます。

 この日は陽も暮れてきましたので、食事に行くことにします。
目指すは松浦電鉄の佐世保中央駅方向です。
「させぼ四ヶ町」のアーケードを歩いて行きます。
黒人の姿が目に付くのは、近くに米軍基地があるからでしょうか。

 アーケードの先の目的の店は閉まっていたのですが、その隣の喫茶店にも目的の「レモンステーキ」はありました。
薄手の黒毛和牛の上に、レモンがたっぷり入った甘辛いソースをかけたものです。
ステークの上にも、輪切りにしたレモンが乗っています。
あっさりしていて食べやすく、手ごろな料金なのが嬉しいところです。
そしてその日はおとなしくホテルに帰ったのでした。

 翌日は、朝から佐世保の町巡りです。
駅前には「三浦町カトリック教会」があります。
メイン通りに面していますが、見上げるような崖の上にあります。
軍港として発達した佐世保は、町の反映に伴って各地からの多くの人の流入がありました。
その中にはキリスト教徒も数多くおり、そのための教会を1899年に設立しました。
名前を佐世保教会と言います。
その後もさらに教徒が増えたため、1931年には新たな教会を建築します。
白っぽい壁の教会ですが、太平洋戦争の時には攻撃の目標にならないために黒く塗られたこともあったということです。

 そして本日は軍港で栄える佐世保の魅力を探しに行きます。
歩いていると途中に左手に斬新な形の建物が見えます。
「アルカスSASEBO」で大小さまざまなホール、会議室を備える施設です。
また歌や演奏のコンサートも頻繁に行われています。

 昨日と同じ「させぼ四ヶ町」のアーケードを歩いて行きます。
デパートの玉屋のところまで来た時に、左側に橋が見えます。
弓型をした橋は、新佐世保川に架かる「アルバカーキ橋」です。
佐世保市の姉妹都市であるアメリカのニューメキシコ州アルバカーキ市との友好のため、日米親善の架け橋となることを願って名付けられました。
橋の袂には三河内焼で造られた風景画が飾られています。

 「アルバカーキ橋」を渡ったところが「佐世保公園」で、子供たちが遊んでいます。
新佐世保川沿いに公園を突き抜けて行きます。
緑のある公園ですが、その片隅にあるのが「旧海軍下士官兵集会所跡」です。
いまでは石碑だけが建っています。

 そしてその先には、「旧佐世保鎮守府」があります。
明治時代に海防力を高めるべく日本国内には4つの軍港都市が誕生しました。
横須賀、舞鶴、呉とここ佐世保です。

佐世保は日本最西端の防衛の要として、日本を守ってきました。
今では建物だけが残されており、訪れた時には建物の中が修学旅行と思われる学生の食事会場になっていました。

 そこから通りの反対側に見えるのが「セイルタワー」です。
ここは海上自衛隊の「佐世保史料館」です。

7階建の各フロアでテーマがあり、まずは7階で陸海空の各自衛隊の中でも海上自衛隊の位置づけ(すべての機能を持つ組織)、防衛の必要性、災害救助などの働きなどが紹介された映画を観ます。
海上自衛隊の働きを判りやすく理解することができ、それを見るだけでも大きな成果です。
各階では日清・日露戦争時代の日本海軍、太平洋戦争での日本軍、自衛隊の誕生、現在の自衛隊の役割が判りやすく説明、展示されています。
ただし館内は撮影禁止であったのため、画像の掲載はありません。

 ここで佐世保で寄りたいところがあります。
それは「佐世保バーガ」と呼ばれるボリュームいっぱいのハンバーガです。
「セイルタワー」近くに美味しい店があると聞いたので、行ってみます。
ハンバーグ、卵、レタス、タマネギ、ベーコンなどの具だくさんのハンバーガに、ドレッシングと濃いめのソースが掛かっています。
中身が落ちないように両側のバンズでしっかりと手で挟み込み、顎が外れるくらい最大限に口を開けて食べます。
ひとつでお腹がいっぱいになるのでした。

 これで歩いて回れる佐世保の主要な箇所は見終えました。
ここからは佐世保港に戻り、艦船を見学します。
といっても見学ツアーに参加するのではありません。
これから乗る五島列島行きの船が艦船の前を横切って行くので、その瞬間が見学のチャンスです。

 埠頭の待合室で、時間をつぶします。
五島列島の有川港行きの乗客はまばらで、急がなくとも席に余裕がありそうです。
30分ほど待って、いよいよ乗船の時間となりました。
船が出航すると、左手に海上自衛隊、右手に米軍の艦船が間近で見ることができたのでした。

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