にっぽんの旅 九州 宮崎 高千穂

[旅の日記]

高千穂峡 

 宮崎県の高千穂にやってきました。
下界の暑さとは打って変って、ここは陽射しさえさえぎれば暖かい天国のような場所です。
詳しく調べずに宿を予約してみたものの、どうもよくわからなかったのです。
ユースホステルのような民宿のような、部屋によって呼び方も料金も違うのです。
しかしいずれにしても、きわめて手ごろな料金なのです。
そんな不安を胸に秘めながらも、とにかくやってきました。

 心配していた宿は、飾り床付きの落ち着いた和室の部屋です。
風呂、トイレ付の一見普通の部屋ですが、ちょっと気になることと言えば扉一枚向こうが風呂の洗い場ということです。
廊下があって脱衣場がある、いや100歩譲って廊下の向こうに風呂場があるのならまだしも、畳の横が洗い場とは、少し面喰ってしまいました。
でもこの料金なら納得できるし、風呂は入ってしまえばあとは不要、もっと言えば別に部屋に水が飛び散るわけでもないので、合理的と言えば合理的なのです。
一方料理は、山菜、野菜、鮎とヤマメの川魚、それに縦長の旭カニなど、鍋や刺身や焼物の腹いっぱいのおもてなしで、大満足でした。

 翌日は、朝からこの辺りを散策します。
「高千穂峡」は、五ヶ瀬川の両側を崖がそびえる高千穂渓谷に、滝が注いでいる神秘的な光景です。
これは、約12万年前と9万年前の2回に渡る阿蘇火山活動の際に、噴出した溶岩流が五ヶ瀬川に沿って帯状に流れ出し急激に冷却されてできた侵食谷です。

 「高千穂峡」に沿って、歩いて行きます。
やがて、川にはボートが繰り出してきました。
狭い川幅で楽しそうに漕ぐ声が木霊してきます。

 近くの「高千穂神社」を訪れてみましょう。
天孫降臨の伝承地を古くから守ってきた「高干穂神社」は、垂仁天皇時代に創建されました。
古くは「高千穂皇神社」として、平安時代以来1200年以上の歴史を持つ古社です。
かつて高千穂郷には554社もの神社があり、その中でも格の高い88の神社が「高千穂八十八社」と言われていました。
その「高千穂八十八社」の総社として信仰を集めてきたのがこの「高千穂神社」なのです。
生活の安定を願い、豊作や豊猟を祈願したお神楽(かぐら)として、「高千穂の夜神楽」も有名です。

 少し歩いてみましょう。
高千穂鉄道の「高千穂駅」があります。
普段は電車の旅で延岡までをこれに乗って帰るのですが、今回は車での移動。
電車に揺られる旅が惜しまれます。
(※追記 当旅行記の掲載後、高千穂鉄道は廃線になりました)

 その他にも、天照大御神の天岩戸(あまのいわと)開き、天岩戸伝説を伝える「天岩戸神社」や、その際神々が集まって相談したと言われている「天安河原」など、多くの見所があります。
しかしもう1回来るならば、雲海の見れる秋に訪れてみたいと思います。

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