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[旅の日記]

熊本地震の爪痕 

 2016年4月に突如起こった熊本を震源とする内陸性の「熊本地震」。
その爪痕が残る熊本を、今回は親戚のお見舞いを兼ねて巡ります。

 飛行機が熊本空港に降りようと高度を下げたときに、目に飛び込んできたのは屋根がブルーシートで覆われた家々の姿です。
10回以上も訪れた熊本ですが、こんな姿を見るのは初めてです。
4ヶ月が経った今でさえも、手つかずの状態なのです。
それでは空港近くの震源地である益城町を、車で回ってみましょう。

 4月14日の夜に起きた震度7の非常に激しい揺れは、地震に対して安全と思われた熊本の町を震えさせました。
夜ということもあって被害の実態が明らかになるのは、夜が明けてからです。
多くの建物が倒壊し、町の悲惨な姿が見えてきます。
その後も一向に余震は止まらず、不安な日々が続きます。

 そして4月16日の未明に、悲劇が起こります。
またしでも震度7の地震が、発生したのです。
しかも地震の規模を示すマグネチュードは、こちらの方が大きい7.3です。
この16日に起きた地震が本震で、14日のものは前震だったと、気象庁は訂正します。
大分から阿蘇を経て熊本に至る断層で起こる地震を「熊本地震」と呼びます。

 町に入ると、傾いたままの家が多く残されています。
頑丈なはずの役場までもが被災するのですから、かなりの規模の地震だったことがうかがえます。
建てたばかりと思われる家も崩れ、目を覆うばかりの光景です。
ただ当時は波打っていた道も、何とかくぼみにアスファルトを盛っていますが、まだらに補修箇所が黒くなっているのが痛々しく感じます。

 それでは、ここから熊本の中心地である市街地に向かいます。
距離のある熊本市街ですが、こちらも被害は甚大です。
熊本城の石垣や塀は崩れ、城の周囲を通る道路も通行止めとなっています。
近くの病院までもが被災している状態です。
ただ先ほどの益城町とは違ってさすがに復興の速度が速く、繁華街は平静を保っているのです。

 熊本駅には、「おてもやん」の像が、重苦しい心を打ち消すかの如く軽やかに舞っていたのでした。
被災した画像は辛いのですが、今回は記録として残すためにあえて掲載しました。

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