にっぽんの旅 近畿 大阪 住吉

[旅の日記]

住吉大社 全国の住吉神社の総本山 

 本日の目的地は、大阪の「住吉大社」です。
大阪メトロの「住之江公園駅」から、歩き出します。

 目の前には「住之江公園」が広がっています。
花と緑の豊かな公園には、野球場もあります。
そういえば高校野球の予選で応援に来た記憶がよみがえります。
そばには「大阪護國神社」もあります。

 それではここで少し脱線して、西側を歩いてみます。
「大阪住之江競輪場」の先に、いくつかの池が並んでいるところがあります。
ここは貯木池で、切り出した丸太が浮かんでいます。
元々は江戸時代に西区に興った木材団地が、大正時代になると大正区移りますが、昭和に入ると戦災と高潮で壊滅的な被害にあいます。
大正区が内国貿易港区として戦後復興の計画に挙がった時、木材団地の行先として目を向けられたのがこの住之江区平林地区だったのです。
近くには木材加工場もあり、そこで扱う木材がこの池で保管されています。
しかし低価格な輸入木材に取って代わり、以前はぎっしり並んでいた貯木池の木材も今では数えるほどになってしまいました。

 「住之江公園」の東には「住吉公園」もあります。
名前は「住吉公園」ですが、住吉区ではなく住之江区に属しており、少しややこしい名前です。
元々は住吉大社の境内で、大社の馬場もここにありました。
現在は「住之江公園」と「住吉大社」の間には南海本線や阪堺電車が通っています。

 その「住吉公園」の西側には、「住吉高灯篭」があります。
ここは日本最古の灯台とされています。
西に200mほどのところにあったものを、1974年に移して復元されたものです。
現在は史料館として内部を観ることができます。

 それでは「住吉公園」の東の端に行き、いよいよ本日の目的地である「住吉大社」を訪れていましょう。
「住吉大社」の前には、「阪堺電車」という路面電車が走っています。
南海電鉄の路線のひとつで、南海本線とはわずか100mほど離れたところで平行に走っています。
路面にノンステップの新型車がやってきました。
でこぼこのレールでも揺れが少なく、スムーズに走ることができます。

 次にやってきたのは、年季の入った全身緑色の車両です。
定期運行されている車両では日本最古のものです。
先日補修が終わったばかりのものが、もう現役で働いています。
ガタンゴトンと軽やかな音を立てて走ってきます。
線路は「住吉公園」の前は道路上を走っていますが、それを超えると専用路線に切り替わります。
ちょうど専用路線への入り口がありますので、写真に収めておきます。

 さていよいよ「住吉大社」です。
全国に2300社ある「住吉神社」の総本社です。
海中より出現した底筒男命(そこつつのおのみこと)、中筒男命(なかつつのおのみこと)、表筒男命(うわつつのおのみこと)の三神、そして神功皇后を祭神としています。
仁徳天皇の住吉津の開港以来、遣隋使や遣唐使などの航海の守護神として崇敬を集めました。

 石鳥居を潜ると、その先に見えるのが「反橋」です。
いわゆる「太鼓橋」で、半円をした急な橋です。
ここは滑らないように慎重に進んでいきます。
その先にいよいよ社殿が並びます。
手前にある左右の社殿は右が神功皇后、そして左が表筒男命を祀ったものです。
その奥には中筒男命、そして一番奥には底筒男命の社殿です。
このうち底筒男命、中筒男命、表筒男命の社殿んが「住吉大社」と呼ばれています。

 その北側にある「種貸社」も訪れてみます。
子宝祈願の神社で、両側を石灯篭でで挟まれた先には百度石があります。
この神社が注目されるには、その先に答えがあります。
そこには、人が乗れるような大きなお椀が置かれています。
そうです、「一寸法師」の起源はここなのです。
その他に「住吉大社」の境内には、相撲の土俵もあります。

 ここからは南海高野線の「住吉東駅」に向けて、さらに西に歩いていきます。
狭い路地が走る昔ながらの街並みです。
そんな中に味噌屋があります。
旧熊野街道沿いにある「池田屋本舗」は、元禄年間創業の味噌屋です。
店内には、住乃江味噌をはじめ、佃煮やあられが並んでいます。

 「池田屋本舗」から北側に歩いて行くと、今度は土蔵を見付けることができます。
「飛鳥への小径」と呼ばれている場所です。
絞り油を造るための菜種を貯蔵するための太田家の土蔵です。
「太田製油場」と名付けられた、1840年の建物です。
1893年に大阪油取引所の開設後は仲買人の免許を取り、正式に取引に乗り出すことになります。
そして大正時代になると菜子油、胡麻油、ひまし油、油粕など幅広い製品を扱っていたということです。

 大阪を代表する、いや日本を代表する神社のひとつである「住吉大社」の近辺を歩いてみました。
神社とそれによく合う路面電車が残る古い街を訪れたのでした。


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