にっぽんの旅 近畿 大阪 百舌鳥

[旅の日記]

百舌鳥古墳群 

 今日は、堺の町を巡りましょう。

 最初は「土塔公園」です。
泉北高速鉄道の深井駅にある、不思議な公園です。
何が不思議かというと、1辺が53mものピラミッド状に瓦を敷き詰めた仏塔が目を引きます。
その高さは、3mに及びます。
727年に行基によって創建された大野寺ですが、その際にこの仏塔も築かれたとされています。

 ここからは、バスで百舌鳥(もず)まで移動です。
百舌鳥といえば、「百舌鳥・古市古墳群」で有名な巨大古墳が点在している所です。
そんな中でも「仁徳天皇陵」は、全長486m、幅305、そして後円部の直径は249mと、墓域面積は世界最大のものです。
教科書にも載っているので、知らない人はないでしょう。
正式には「百舌鳥耳原中陵」といいます。
古墳の工事中に鹿が現れ倒れます。
そしてその耳の中から百舌鳥が飛び去ったので見てみると、残された鹿の耳が食い裂かれていました。
このことから、この地を百舌鳥耳原と名付けたということです。

 「仁徳天皇陵」と道路を挟んで、「大仙公園」があります。
幕府代官 高西夕雲と豪商 木地屋庄右衛門によって開発された「夕雲開」と呼ばれる新田です。
1925年には大阪農学校(大阪府立大学の前身)の実験農地になったこともあり、1966年の大阪府立大学農学部の中百舌鳥への移転を機に、都市公園として整備されました。
81haの公園内には図書館、日本庭園、茶室、博物館があり、中央の池の畔には高さ60mの平和塔もあります。

図書館の隣には、「自転車博物館サイクルセンター」があります。
堺は、自転車のメーカ並びに自転車部品の工場が数多くある自転車の街です。
そんな堺と自転車産業を知ってもらおうと、自転車の歴史や変り種自転車を展示しているのが、本博物館なのです。

 「大仙公園」は百舌鳥駅と1駅南の上野芝駅に掛かる公園です。
「仁徳天皇陵」が百舌鳥側だとすれば、上野芝側には「履中天皇陵」があります。
「履中天皇陵」は、「仁徳天皇陵」と並び、日本で3番目の大きさの前方後円墳です。
この辺りには巨大古墳が数多く存在し、大仙公園とJR阪和線の線路を挟んだ反対側には、「いたすけ古墳」もあります。
なんと神秘的なことでしょうか。

 さてここからは、電車に乗って1駅ずつ移動します。
上野芝駅から1駅南の津久野駅では、10分ほど歩き「家原寺」に参ります。
高野山真言宗別格本山の寺院で、行基が704年に生家を寺に改めたものだとされています。
「知恵の文殊さん」と呼ばれ、正月ともなればハンカチに受験の希望校を記したものを本堂の壁に隙間なく貼り付け、合格祈願を行う様子で寺の姿が白く変わります。

 隣の鳳(おおとり)駅には、「大鳥大社」があります。
本来の祭神は大鳥連祖神(おおとりのむらじのおやがみ)を祀っていましたが、後に日本武尊(やまとたけるのみこと)が祭神と考えられるようになり、現在に至っています。
しかし、1896年の政府の祭神考証の結果を受け、内務省の指示により再び大鳥連祖神に祭神を変更しています。
境内には、大鳥美波比神社を祀る「大鳥美波比神社」もあり、10月には鳳だんじり祭りでも賑わいます。

     
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