にっぽんの旅 近畿 大阪 箕面

[旅の日記]

箕面の滝 

 本日は大阪の北、箕面の紅葉を見に行きます。
阪急電車で石橋から出る箕面線で、3駅先の終点が箕面駅です。

 箕面駅では、昼だと言うのにラッシュ時並みの混雑です。
どう見ても、ここに居るみなさんは紅葉見物の観光客です。
そしてその中には日本の紅葉を見るためなのか、外国人が異様に多いのです。
この混雑の人混みとともに動いて行くのかと思いうんざりする気持ちも、見え隠れします。

 本日の目指す先は、「箕面大滝」です。
距離にして3km足らずなので、前に進むことさえできれば1時間弱のところです。
滝道は駅前から始まりますが、両側に店が並んでいますのですぐに判ります。
通りは、土産物、食べ物屋でいっぱいです。

 しばらく歩くと「一の橋」があります。
橋のたもとの旅館のような建物には、1階に雑貨屋が入っています。
「橋本亭」の喫茶店も、ここにあります。
和風の建物の外観が、周りの景観にマッチしています。

 さらに先を進むと、旅館らしい建物が続きます。
道が細くなる分、観光客の流れが詰まってしまいます。
人の少ないところを目指して、足を速めます。

 やがて「箕面公園昆虫館」があります。
壁にカブトムシの立体模型が取り付けてあるのが、施設の目印です。
「明治の森箕面国定公園」の自然豊かな中で、国内の昆虫を中心に6000種以上が展示されています。
今回は「箕面公園昆虫館」は寄らずに、先に進みます。

 周りのもみじを見ているとまだまだ緑の葉も多く、今日は紅葉には少し早かったかなと思うのですが、この辺りにはちらほら色づいている葉があります。
紅い葉が緑の葉に混ざり、陽の光で透けて見える葉の色が、美しい眺めです。

 ここまで来ると、左手に「瀧安寺」があります。
日本最古の弁財天で、江の島、竹生島、厳島と並ぶ日本の四弁天のひとつです。
658年に役小角が箕面滝の下に堂を建設し、本尊の弁財天像を安置したのが始まりです。
ここで1575年に発行した「箕面冨」は明治時代まで続き、いまの宝くじ原型となりました。
いわば、宝くじの発祥の寺です。

 さらに先を進むと、道を外れたところに試験管を持った野口英世の像があります。
黄熱病の研究で世界的に有名な野口英世が、15年間のアメリカ留学から一時帰国の際に、母を連れていったのが箕面の滝道の料亭「琴の家」でした。
老いた母に対する英世の孝行の様は一緒にいた人々に感銘を与え、銅像としていまに蘇っています。

 「箕面大滝」まであとわずかという場所に、「唐人戻岩」があります。
昔、まだ山深いところに「箕面大滝」があった時に、唐の貴人が滝を見に来ます。
ところがあまりにも険しく恐れをなして引き返したのが、この巨岩のあった場所です。
それ以来、この岩のそびえ立つ場所を、「唐人戻岩」と呼んでいます。

 さてここまで来れば、「箕面大滝」は目の前です。
昔は険しい木々があった場所に今は多くの土産物屋が並び、そこに立ち止る人で行く手が阻まれるのでなかなか前に進めません。
昔も今も同じような悩みがあるようです。
そしてそれを越えると「箕面大滝」があります。

 滝の姿が農具の箕に似ていることからこの滝は「箕面大滝」と言われ、地名も箕面と呼ばれるようになりました。
落差33mの滝の姿は、都会のすぐそばにあるとは思えません。
水の落ちる音が心地良い思いにさせてくれます。

 ここに来たからには、帰りには買いたいものがあります。
箕面名物の「もみじのてんぴら」です。
塩漬けしたもみじの葉に衣をつけて揚げたものです。
てんぷらと言うよりあられのようにしっかりと衣が付いています。
今晩のビールのあてになりそうなので、買って帰ることにします。

 人混みをかき分けてにはなりましたが、ゴミゴミした都会からちょっとだけ抜け出すことができた箕面の散策でした。

 
旅の写真館