にっぽんの旅 近畿 大阪 岸和田

[旅の日記]

岸和田だんじり祭り 

 大阪の秋祭りが今日のテーマです。
南海岸和田駅に降りると、そこは並々ならぬピリピリした雰囲気が立ち込めています。
そうです。今日は岸和田だんじり祭りなのです。

 まずはお城を目指して歩いて行きます。
歩道というのに、途中何ヶ所かは通行規制が行われています。
警察がロープを張って、行く手を規制しているのです。

 岸和田のだんじりは、1745年に町方の茶屋新右衛門が大坂の祭を見聞し、牛頭天王社(今の岸城神社)の夏祭に献灯提灯を掲げたいと藩主に願い出て許可されたのが始まりだと言われています。
だんじりの荒々しい走りが目を引きますが、だんじりに施された非常に精緻な彫刻も見所です。

 岸和田駅から旧の国道26号線に出ると、岸和田城のお堀が見えてきます。
このころには、どこからともなく祭りのお囃子が聞こえてきます。
城の入り口には、数体のだんじりが停っていました。

 岸和田に来たのだから、岸和田城を見て帰らなければと、城の中まで入り込みます。
さすがにだんじりは中までは入って来れず、人ごみから解放された一瞬です。
小高い丘に建つ岸和田城からは、堀の向こうに岸和田の海側の街並みを見ることができます。

 再び町に出ていきましょう。
喧嘩だんじりで有名な岸和田だんじりでは、やりまわしが有名です。
駅前交差点を、わざと速度を出して回りきる芸当です。
それを証拠に、交差点前では一旦停まって休憩しています。
ところが合図を境に、急に走り出してカーブに差し掛かるのですから、その迫力は満点です。
毎年、だんじりが接触して民家の軒先が壊されることが、ニュースで報じられています。
しばらくは、やりまわしの醍醐味を味わうことにします。

 一通りやりまわしを見た後は、岸和田長交差点から駅前を囲むように行き来するだんじりを眺めることにします。
さすがだんじりの盛んな岸和田だけあって、次から次からだんじりはやってきます。
それぞれの地区のハッピを着た威勢のいい叫び声が聞こえてくれば、次のだんじりが来たことが判ります。
観光客も含めて、この期間は街全体がだんじり一色になっているのです。

 最後に、岸和田駅前の岸和田天神宮に寄ることにします。
1362年に、泉州沼村(現在の沼、筋海、並松)の村長の沼間将監が、長く病床に就いている父親に、手をつくし平癒を願ったがその効験がありませんでした。
そこで、かねてから信仰していた山城の国八坂神社に参り、病父の平癒を祈願すること三日、ついに霊感を得て歓喜して帰郷します。
すると父の病は全快してしまい、大いに喜んだ沼氏が社殿を造営して八坂神社の御分霊を勧請したのが始まりといわれています。
賑やかな岸和田の中にあって、心の温まるお話です。

 ということで、あっという間に1日は過ぎてしまいました。
これから毎週のように地区を代えて、しばらくは秋祭りが続くことでしょう。

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