にっぽんの旅 近畿 大阪 阪堺電車

[旅の日記]

阪堺電車の旅 

 本日は阪堺電車での気ままな1日です。
始発の恵比寿町に向かうべく、今日は新世界から出発します。
 難波から南に歩いて行くと、周りの雰囲気が一転します。
新世界独特の庶民的でゴタゴタした街が現れます。
以前は危ない街だった新世界も、ここのところの通天閣ブームで、通天閣周辺の関してはきれいに整備されています。
周りには串かつ屋が軒を並べており、その中でひときわ目を引きのが、てっちりやの「づぼらや」の看板?です。
この街の雰囲気に呑まれながらも、通天閣を目指して進みます。

 ところが今日は通天閣誕生50周年で、おまけに3連休の初日と来ています。
1階の入り口は長蛇の列。30分をかけて2階の切符売り場までエレベータで登り、そこでさらに展望台へのエレベータに乗り込むのに40分。
大阪に住んでいながら、なぜこんなに混んでいる日を選んだのか、後悔したのでした。
展望台である5階からは、大阪の街並みを一望できます。
北は大阪城や梅田の高層ビル群、東は生駒の山々、西は大阪湾と、庶民的でちょっと小さめのこのタワーからの眺めは、また大阪らしいのでしょうか。
さて、この通天閣の展望台には、もうひとつ名物があります。
幸運の神様である「ビリケンさん」が祭ってあるのです。
キューピー人形を悪餓鬼にしたようないでたちで、足を伸ばしてチョコンと座った様子は、実に愛嬌があるのです。
願い事をして足の裏をさすっていく人が後を立たず、足の裏は磨り減ってしまっていました。

 ここからは、阪堺電車の旅です。
阪堺電車と言うのは路面電車の車体を使った堺まで延びる1両編成の電車で、通常の線路と路面を走ります。
恵比寿町駅から走り出したこのミニ電車は、短い駅の間隔でまさに庶民の足となっています。

 途中、住吉で下車します。
ここは、住吉大社の最寄駅です。
そして道端には、路面電車ながら屋根のある待合室が建っています。
全国に約2,300社ある住吉神社の総本社で、鳥居の先には大きな石灯籠が迎えてくれます。
石灯籠は参道の左右に並び、その先には太鼓橋となる反橋が構えています。
そして橋を登った先には4棟の本宮幣殿があり、これら4つが本殿を形造るいわゆる住吉造りです。
住吉造りは、神社建築史上最古の様式のひとつとされています。
住吉大社は、西暦200年に神功皇后が三韓征伐より七道の浜(現在の堺市)に帰還した時、住吉三神を祀ったことを起源とします。
また浦島太郎伝説も、ここ住吉が起源とされているのです。

 ここで再び電車に乗り込み、次は大和川を越えて堺市に入ります。
宿院駅辺りでは、大きな道路の真ん中を悠々と走る満悦感さえ覚えるのです。
この辺りの御陵前駅を境にして、電車の駅の間隔が通常の電車並みの距離になります。
そして自動車の道からは離れて、通常の線路を走り出します。
ほんの少しスピードも上げたのでしょうか、これまで気にならなかった電車の横ゆれが激しさを増し、少し不安さえよぎります。
そして終点の駅が浜寺公園駅前。
ゆっくりと楽しんだ路面電車の旅も」ここで下車です。

 先ずはすぐそばにある南海本線の浜寺公園駅に寄ります。
レトロなつくりのこの駅は、大阪市内の賑わいとは対照的に、ひっそりとしていました。
そして最後に向かったのが、浜寺公園です。
ここは、面積484,200平方メートルで、なんと東京ドームが10個以上入る広大な緑の大公園です。
名松100選にも選ばれており、芝で敷き詰められた公園には約5,500の松が生い茂っています。
放たれた犬のように走り回っているうちに、辺りはうっすらと日が暮れてきました。

 ここで新世界から始まった本日の行動も終了です。
秋の有意義な1日となりました。

 
 
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