[旅の日記]
大阪 美味いもの特集 
昔から「天下の台所」と呼ばれた大阪。
とにかく安くて美味しい食べ物が大阪には集まっています。
その多くはそれぞれの旅行記で紹介していますが、ここではそこで掲載できなかったものの埋もれてしまってはもったいない食を一挙公開します。
実際何回も足を運んだ自身の店ばかりです。
ラーメン
まずはラーメン。
大阪はラーメンで有名な土地ではありませんが、選り抜きのラーメン店が集まっています。
一番のお薦めは、昭和町「彩々」の「鶏塩らーめん」です。
澄んだ出汁の塩ラーメンに鶏肉が入っており、あっさりした味です。
昼前に訪れたのに、店の前には既に列ができていました。
そして「彩々」とは対照的に、濃いコクのある出汁が特徴なのは西長堀「カドヤ食堂」の「中華そば」です。
「黒豚めし」も美味しそうです。
薄味の出汁に鶏肉(大阪ではかしわと発音)が合います。
ここはいつも満員で、店の外には入店待ちのための椅子が並んでします。
次に紹介するのは、暇があれば立ち寄る「熊五郎」と「古潭」です。
「熊五郎」ではいつも「醤油のバラ」を頼みます。
実は神戸が発祥なのですが、ここ大阪でもしっかりと根付いています。
とんこつベースの醤油ラーメンで、チャーシューはこってりのバラと脂身の少ないモモを選ぶことができます。
キムチとメンマが取り放題というところも、嬉しいですね。
一方の「古潭」は、アベノ地下店が発祥です。
最後まで飲み干せる出汁で、後で喉が渇き後悔?します。
トッピングのネギとニンジンもしゃきしゃきして、美味しいです。
ここの餃子もお薦めで、皿に取り分けた定食風のものとラーメン鉢に入れたものの2通りがあります。
ラーメン鉢に麺と一緒に入った方が安いので、注文するのはいつもこのパターンです。
「三く」は、ラーメン激戦区福島にあるラーメン屋です。
以前から行きたかったのですが、梅田から1駅離れたというだけでなかなか行けずじまいでした。
そこで今回はふんどしを締め直して、早々の訪問です。
11:39の開店前の11:00に着いたのに、既に1人が並んでいます。
開店時には後ろに30人ほどが並び列になっていました。
出てきたラーメンは魚で取ったスープで、煮干しの味が口に広がります。
最初は魚臭さにちょっと抵抗があったのですが、食べているうちに慣れてき、魚の味が縮れ麺に浸みた美味しいものです。
そして、口の中で溶けるとろとろのチャーシューも、この店の自慢でしょう
堺市の泉ヶ丘にある「石原ラ軍」は、駅から遠いにもかかわらずいつも列ができるラーメン店です。
麺の太さが選べます。
魚介シリーズと熟成醤油シリーズ合わせて、10種類ほどのラーメンがあります。
昼時の早いうちに行列に並んだものの、魚介シリーズを含む4品が既に売り切れになってしまいました。並んでいる最中のことです。
それではと、熟成醤油の定番ラーメンを注文します。
スープは文句のない旨さ、それに平たい太麺がよく絡み合っています。
シナチクは麺の太さまで切り込みが入っており、麺かと思い間違って箸でつまむと、シナチクの束がスープから姿を表します。
そしてチャーシューにも特徴があります。
2cmほどの分厚さにも関わらず、噛めば溶けるような柔らかさ。絶品のラーメンなのです。
人類みな麺類には、醤油ラーメンの「らーめん原点」、しっかり味の醤油ラーメン「らーめんmicro」、そしてあさりやしじみの味から出汁を取った「らーめんmacro」があります。
注文したのは魚介で一番人気の「らーめんmacro」です。
スープは透き通っており、丼の底が見えます。
コクがありうま味のあるスープは、それだけでも美味しいのです。
焼き豚は厚みがあり、写真で見えている幅の分だけ深さがあります。
列ができる人気店でもあり、開店15分前に行った今日でも既に10人の列ができていたのでした。
なかもずにも、美味しいラーメン屋があります。
鳥の鶏次のラーメンは、他店とはスープが違います。
鶏と水だけで8時間かけて煮込んだもので、こってりした鳥白湯スープが自慢です。
そのスープを味わうために、混ざりけのない塩ラーメンである「鶏そば塩」を頼みます。
クリーミーなスープが麺に絡み、それだけでも美味しい一品です。
こちらは、麦と麺助です。
「蔵出し醤油そば」は醤油でありながらさっぱりしていて、くどさがまったくありません。
チェーシューとともに入っている塊はホロホロ鳥です。
柔らかくて、口の中に入れるととろりと溶けてしまいます。
細麺に醤油スープが絡まり、上品な味です。
丸源ラーメンはチェーン店にもかかわらず、確かな味です。
その中でも「味玉肉そば」は、濃いスープが醤油の味を出しています。
そしてチャーハンもお薦めです。
チャーハンが盛られた熱い鍋に、チャーハンの周りに流し込まれる解き卵です。
卵が固まる前にチャーハンとかき混ぜて、完成させる楽しさもあります。
餃子
次に紹介するのは、餃子の「王将」です。
「安い、早い、美味い」のキャッチフレーズでいまや全国区になった店ですが、関西から始まった店です。
カリカリの皮の中は、ジューシーな肉汁いっぱいの餃子です。
中華料理全般を扱っていますが、とりわけこの餃子を買って帰って、ビールを一杯というのも良いですよ。
手ごろな王将と肩を並べるのは、眠眠です。
隣りの餃子と皮がくっつかないように、慎重に餃子を持ち上げます。
薄い皮ですが、何故か破れずに切り離すことができます。
中身がいっぱいのあんですが、いくら食べても食べ飽きることはありません。
座敷のある店舗では腰を落ち着けて、餃子だけを限りなく頼み続けることも昔の思い出です。
お好み焼き
さて、大阪と言えばやはり粉ものです。
そのなかでもぼてじゅのお好み焼きはお薦めです。
ソースとマヨネーズを美しく掛けるのがある中で、ここではスプーンですくったソースの1匙分をドカッと乗せるだけです。
味で勝負のお好み焼きなのです。
やはり単純の豚玉がお気に入りです。
「千房」「ぼてじゅ」は有名で良く行くお好み焼き屋のですが、津久野という大阪中心から離れた地にあって忘れてはならないのが「美佳味」です。
手頃な値段なので、思わず2玉も頼んでしまいます。
いつの頼む「豚玉」に加えて、今回は焼きそばの入った「モダン焼き」を注文します。
柔らかい生地に甘めのソースで、食が進みます。
ここも並ばなければ入れない人気の店です。
堺にあるくいしん坊は、平凡な店ですが人に教えたくない隠れが的な存在です。
頼むのはいつも同じ、焼きそばと豚玉です。
素朴な味ですが、お好み焼き本来のこなもんの旨さを感じます。
そして気取らない店内は、安心していつまででも居ることができます。
鉄板の上のお好み焼きを、こてで切りながら息を吹きかけて冷ましながら口に運ぶ、そんな風景が似合います。
やまもとのねぎ焼きを紹介しましょう。
見た目は、お好み焼きそのものです。
ところが目の前で繰り広げられる作成過程を見ると、単なるお好み焼きではないことが判ります。
鉄板の上に小麦粉は混ざった生地を塗り広げます。
その上には山盛りのネギが乗せられ、しんなりとへしゃがるまで焼きます。
気付いた時にはぺったんこのお好み焼き状態で、ソースを塗ると食べるまではねぎ焼きであることが判らなくなります。
カレーライス
次は、カレーを紹介します。
多くのカレー屋があるなか、辛きて喉がヒリヒリしながらも後味が何故かフルーティーで癖になるのが「インデアンカレー」です。
チェーン店を展開しており、大阪では有名です。
ピクルスがついてきますが、これだけでは辛さを抑えるには物足りず、必ず生卵も注文します。
客の回転が速いので、時間のないときでも安心して行くことができます。
カレーで忘れてはならないのが、隠れた名店「SURAJ]です。
南大阪で数店ある隠れた名店で、バターチキンカレーがお勧めです。
インド人が切り盛りしており、店によっては特別な注文が通じない時もあります。
まあ身振り手振りで事なきはえるのですが、電話で予約したときは困るときもあります。
しかし味は折り紙つきで、また足を運んでしまうのです。
1枚のお替り自由なあつあつのナンに、カレーをつけて食べます。
スープ、サラダ、シナモンライスがセットで付いており、量は十分です。
食後にはコーヒーとマンゴラッシーを選ぶことができますが、ここのラッシーは絶品です。
その他、珍しいネパールビールもあります。
ドライカレーもあります。
自由軒は、ピリッと辛いカレーです。
辛さを抑えるために卵が乗っています。
もちろんルーのかかったカレーもあるのですが、自由軒といえばこのドライカレーでしょうか。
さらに刻まれ年季の入った自由軒の文字も、名店の歴史を感じます。
今度はカレーの真空パックを紹介します。
曽呂利が出している「みずなすカレー」です。
漬物屋さんのカレーらしく、茄子が主体のカレーです。
ピリッと辛みのあるカレーですが、茄子が旨味を出しており癖になります。
さすが先週名物の水茄子です。
カレーに茄子がこれほども合うのかと、思い知らされる一品です。
オムライス
ここからはオムライスです。
心斎橋にある明治軒は、戎橋商店街から東に入ったところにあります。
カウンターに座ると、フライパンに広げた卵にチキンライスを乗せ、トントンと揺らしながら鮮やかに卵を巻いていく手さばきを見ることができます。
味は期待通りですので、安心して通うことができる店です。
また、串カツやエビフライなどをトッピングしたセットもあります。
北極星は元祖オムライスといわれる店です。
メニューにはオムライスしかなく、素材をハムやチキンなどから選ぶことができます。
たっぷりとかかったソースにオムライスを馴染ませて食べます。
トロリとしたこのソースが、この店の売りでしょう。
紅ショウガが付いてくるのも、他店にはないおもしろいです。
オムライスで忘れてはならないのが、心斎橋ミツヤです。
喫茶店で有名ですが、そこにオムライスとスパゲティを合体したものがあります。
トマトソースのかかったオムライスに、ミートソースいっぱいのスパゲティが、ひとつのプレートに載っています。
嬉しいことに両方ともがそれなりの量あります。
お腹を満足させる1品です。
パスタ
パスタ専門店ではない食べやすいスパゲティがミツヤにあります。
オムライスにも掲載のあるミツヤライスのスパゲティも有名ですが、そのスパゲティ部分を切り離したものです。
そのなかでもカニコロスパゲティは定番のです。
鉄板の上でジュージューとソースが跳ねています。
スパゲティの周りに巻かれている紙を外して食べます。
柔らかいカニクリームコロッケと温玉が、スパゲティソースに合います。
どんぶり
では、丼物を紹介しましょう。
最初は西梅田「かえん」の天丼です。
ワンコインの500円(いまは少し値上げしましたが)で、あつあつの天丼を食べることができます。
2匹の海老とかぼちゃ、海苔、ピーマンが、ご飯が見えないくらい盛られています。
これでも十分ですが、100円アップの大盛りを注文すると海老が3匹に増えます。
厨房を囲んでのカウンターだけの席で、のれんをくぐって席に着くので、一見すると立飲み屋のようです。
てんぷらが揚がるのを見ながら、料理ができるのを待ちます。
昼時には列ができますが、回転が早く待たされることはありません。
丼の2つ目は、「楽屋」です。
魚が美味しい店で夜は魚をアテにお酒が進むのですが、あえて昼に訪れます。
日替わり定食としての魚の煮つけも魅力的なのですが、こちらは早く行かなければ売り切れてしまいます。
そんななかで今回紹介するのは、「海鮮丼」です。
うどん、そば、にゅうめん(そうめん)が選べ、それに海鮮丼が付きます。
さすが魚のうまい店だけあって安くて満足のいく味で、本当は隠しておきたいぐらいのところなのです。
うどん・そば
ラーメン以外の麺類もお話ししなければなりません。
ざるそばしかなく席に着けば1斤か1.5斤を聞かれるのは、堺の宿院にある「ちくま」です。
ここには蕎麦しかなく、メニューも2種類の量から選ぶだけのシンプルなものなのですが、人の列は途絶えません。
茹でたての温かいそばと、作りたてでやけどをしそうなくらい熱いつけ汁、やくみ、そして人数分の生卵が出されます。
つゆにつけて食べるだけのシンプルなものですが、味わいのある麺が絶品なのです。
何度も行きたくなる店です。
うさみ亭のうどんもお薦めです。
本町にある小さな店ですが、きつねうどんが発祥の店です。
うどんの上に載っている、甘く炊いた揚げに醤油の味がたっぷり浸みています。
揚げ以外はネギがかかっているだけですが、だしと揚げの味で他に余分なものは要らない1品です。
大阪泉州地方のうどんといえば、かすうどんです。
加寿屋の加素うどんには、だしを吸ったあぶらかすが入っています。
それにうどんがマッチングした食べ物です。
時間のないときに流し込むのにピッタリの食べ物です。
ぶたまん
大阪で言うぶたまんとは、肉まんのこと。
いくつかのぶたまん屋があるなか、大阪土産にもなるのが「551」で有名な蓬莱のぶたまんです。
ふわっとした生地の中は、肉汁がこぼれタマネギの甘さが広がる豚ミンチが入っており、癖になる味です。
自宅ではぶたまん、そして新幹線に乗るときはシュウマイが、日課になってしまいました。
なべ
大阪で食べるものは、大阪特有のものだけではありません。
下関などが有名なフグですが、大阪ではそんな高級食材も手軽に食べることができます。
今回もてっさ、湯引き、焼きフグ、てっちりのフグづくしと、それにぞうすいがついて、5000円のコースです。
これだけでも安いのに、インターネットで配布されている店のクーポンを使えば、たったの3500円の安さです。
値段に反して、フグの身は肉厚の食べ応えのある量なのです。
美々卯の名物料理と言えば、うんどんすきです。
鍋の締めでうどんを入れることがありますが、うどん文化が広がる大阪らしく鍋の最初からうどんを入れます。
うどんが主役の鍋なのです。
色々の具とともに、コース料理としてうどんを突っつきます。
ごはん
大阪の食卓で春になると出てくるものに、豆ごはんがあります。
グリンピースではなく、ウスイエンドウを使った豆ごはんです。
色はグリンピースの方が緑が鮮やかですが、ウスイエンドウの皮はとにかく軟らかく、ごはんとなじんでいます。
冷めても美味しい豆ごはんは、春が待ち遠しくなる一品です。
こちらはお土産にできるおむすびです。
どん蝶と呼ばれ、大豆と塩昆布を餅米で結んで蒸したおこわです。
モチモチとした食感に昆布の塩気、そしてカリッとした小梅の酸っぱさが加わり、何か懐かしい味がします。
新大阪でも売っていますので、新幹線に乗る前に買い車内で食するのにぴったりの食べ物です。
でも、まだまだ大阪には美味しいものがいっぱいです。
各地域の旅行記にもその土地のお薦めの食べ物を紹介していますので、そちらも覧ください。
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