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[旅の日記]

ちょっと変わった赤川仮橋 

 淀川縁のぶらり散歩です。
淀川に掛かる面白い鉄橋があるということで、興味半分で見に行くことにします。

 阪急電車淡路駅から、淀川を目指します。
淀川の河川敷には、10分ほどで到着します。
先には、淀川を横切る白い色の鉄橋が見えます。
JR城東貨物線の「赤川鉄橋」です。
さらに近づくと、その面白さが判ります。

 と、突然踏切が下り、貨物列車が横切って行きました。
列車の行く先を見ると、そこには列車の線路の横には、人が行き交う歩道が並んで走っています。
「赤川仮橋」と言われ、最初は複線を通す計画で作られた鉄橋ですが、1929年当時の輸送量から単線で十分とのことで、今に至っています。
南に向かって、右が貨物線、そして左半分が人間専用の赤い舗装の道で、列車と人が仲良くひとつの鉄橋を使うのは、日本でもここだけです。
「仮橋」と名のつくところが曲者で、とりあえず余ったスペースに人を通してあげると言っているのです。

 そしてその「仮橋」も、やがて終わる日がやってきます。
北梅田 と放出(こうたる)間を結ぶ「おおさか東線」の開業に向けて、複線化の工事が始まることが決まりました。
その噂を聞いて、今日は慌ててこの鉄橋を目に焼き付けるために訪れたのでした。

 といっても、次はいつ電車が来るのかも判りません。
貨物列車ですから、そんなに頻繁に来るとは思えません。
判ってはいるもののとりあえず橋の中央まで歩き、しばらくは待ってみましたが、いっこうに列車が来る気配はありません。
暇に任せて調べてみると、どうやら3時間以上先のようです。
淀川の対岸を散歩して時間をつぶしますが、寒さが身にしみます。

 結局、夕方になってやってきたのは、百済発の貨物列車。
待った割には、あっという間に通り過ぎて行きました。
でも、何か満足感に浸っています。
川下に見える梅田のビル群も、夕陽に包まれて行ったのでした。

その後の2013年10月に、赤川仮橋は閉鎖されました。
おおさか東線としてよみがえるのは、2018年の予定です。


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