にっぽんの旅 近畿 奈良 橿原

[旅の日記]

橿原神宮と今井町 

 今年の初詣は、奈良の橿原神宮です。
奈良市内からは少し離れた飛鳥にほど近いところに、橿原神宮はあります。
初代の天皇である神武天皇が祀られています。
近鉄の南大阪線と柏原線が交わる橿原神宮前駅からは、橿原神宮までは真直の参道が続きます。
正月三ヶ日で90万人余りが訪れる巨大神社であり、参道は人だらけです。

 参道門の鳥居をくぐると、左右には露店が軒を並べており、これぞ日本の正月風景じゃないでしょうか。
参拝の行列は、露店を覗く人にぶつかりながら玉砂利を踏みしめながら先へ先へと進みます。
深田池を左に見ながら、右手の南神門をくぐります。
その中には大きな外拝殿が構えており、横には人の背丈の倍はあるのではないでしょうか、巨大な絵馬が飾られています。
実は5年ほど前にも同じく初詣でここには訪れており、この巨大な絵馬は知っていたのですが、その時は車で来たものですから渋滞に巻き込まれて着いたのは日が落ちてから。
そそくさとお参りをしてすぐ帰ったものでした。
それに引き替え今回は、じっくりと絵馬を眺めることができたのでした。
さて外拝殿をくぐりぬけると、970坪もの内拝殿があります。
先ずはお参りを済ませ、おみくじにお札と今日の目的(?)を果たしたのでした。

 せっかく橿原神宮まで来たのですから、古事記にも登場する神武天皇の天皇陵を観ていきましょう。
歩いて来た道を参道門まで引き返し、そこからは渋滞しているわきを悠々と歩いていきます。
車道の両サイドにはかなり広い歩道があり、車を気にすることなく歩けます。
左手に畝傍山を望みながら、右手に近鉄の畝傍御陵前駅が見えた辺りに、天皇陵の入口があります。
申し訳なさそうに少しだけ開かれた門を入っていくと、木々の間を広い砂利道が続き、天皇綾に辿り着きます。
今の祝日である建国記念の日は、紀元前660年2月11日の神武天皇の即位した日を記念して定められています。

 そして神武天皇稜を出て少し北に歩くと、今度は綏靖(すいぜん)天皇稜があります。
神武天皇に次ぐ2代目の天皇です。
ただし、綏靖天皇から開化天皇までの初期8人の天皇については、皇位継承争いを除けば記紀には系譜のみが伝えられているだけで、欠史八代と称されています。
なるほど先ほど見てきた神武天皇稜に較べると小ぶりのお墓です。

 ここからはさらに北上し、国道24号線を超えたところに、今井町があります。
ここは重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
「大和の金は今井に七分」と言われるほど過去大繁栄した町で、今も江戸時代の町屋の景観を残しています。
観光地図には町の中に数か所の旧家が載っていますが、行ってみて驚いたことにはそれを含むすべての家が昔のたたずまいを残しているのです。
今井町は、天文年間に本能寺の一族である今井兵部が称念寺を開いたのが始まりです、
今もあとの残る町の周囲の環濠は、かつでの寺内町のなごりです。
織田信長の一向宗弾圧に対して、称念寺を中心に反抗しました。
しかし1575年の明智光秀のとりなしで、その武装を解除し、それ以降は商業地として発展をしてきました。
大阪の堺と並ぶ自由都市だったのです。
今も人が実際に生活していながら、かたくなに昔の風情を残してる今井町を、町の方々の邪魔にならないようにしばし散策し、近鉄八木駅に抜けていったのでした。

    
   
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