にっぽんの旅 近畿 京都 祇園

[旅の日記]

祇園祭 

 日本三大祭りのひとつである祇園祭に出かけましょう。
祇園祭は、毎年7月1日から31日までの1ケ月間、京都市内の中心部や八坂神社で行われるお祭りです。
そして本日はそのクライマックスともいえる山鉾巡行なのです。

 京阪電車で三条まで向かいます。
駅を出て、納涼床の並ぶ加茂川を渡します。
朝9時と言ったこの時間では、さすがに床も開いていません。
河原町通りの歩道にひさしのある所で、鉾の来るのを待つことにします。

 869年に京で疫病が流行した際、神泉苑に当時の国の数にちなんで66本の鉾を立て、祇園の神を迎えて災厄が取り除かれるよう祈ったことが、このお祭りの始まりとされています。
応仁の乱の時に一時祭りは途絶えますが、1500年に町衆の手で再興されて現在まで受け継がれています。
現在巡行に参加しているのは、9基の鉾と23基の山です。
そして本日は、東西は新町通りと河原町通りの間、そして南北は御池通と四条通りの間を、鉾と山が練り歩くのです。

 先頭は長刀鉾で、疫病邪悪を払うものとして造られました。
後に続く鉾や山の多くが年毎に順序が変わるのに対して、毎年必ず先頭を務める鉾です。
鉾と山の違いは、鉾の方が屋根が4.5mの高さ、さらに鉾頭は地上から25mの高さがあり、複数の囃子方が乗っているのに対し、山は小型のものが多く人も乗っていないものもたくさんあります。
当然、鉾の方が大勢の引き手を引き連れて登場します。
そして高く掲げられた鉾には、疫病神が吸い込まれると信じられています。

 その後は今年の場合、孟宗山、木賊山、油天神山、函谷鉾と、全部で32基の鉾と山が京の町を練り歩きます。
そんな中で、2対の傘に暖簾を付けたような形をした綾傘鉾がやってきます。
鉾といえども高さがなく、山と見間違えるほどです。
ところが、赤熊(しゃぐま)をかぶった囃子が、笛や太鼓のお囃子に合わせて棒を振り回して踊ります。
しばらくは、軽快に繰り広げられる踊りを見ることにします。

 船鉾も面白い形をしています。
舟を模った船鉾は、舳先に金色の鷁を付けた唐破風入母屋造りの鉾なのです。
京の通りには、鉾と山がずらりと並び、出番を待っているのでした。

 四条に来たのであれば、先斗町が眼と鼻の先です。
花街で有名な先斗町は、夜は高価で行けない場所ですが、昼間に通りを巡るのは自由です。
狭い路地の両端に、お茶屋さんが軒を並べています。
そして川向うには、花見小路が広がっています。
こちらはゆったりとした道の両側に茶屋や料理屋が立ち並ぶ、祇園の中心街です。
さすがに陽の高い昼間に舞妓さんの姿を見ることはできず残念でしたが、風情ある日本家屋の並ぶ通りを眺めて舞妓さんの歩く姿を想像していたのでした。

     


旅の写真館(1) (2) (3)