にっぽんの旅 近畿 兵庫 神戸

[旅の日記]

神戸ウォータフロント 

 神戸の玄関、神戸港。
ここで帆船の出港式があるというので、出かけてきました。
JR元町駅から海側に10分程度歩くと、海に浮かぶ巨大な帆船を目にすることができます。
港に停泊していたのは、日本丸と海王丸。ともに航海練習船の姉妹船です。
私が到着したときには、既に出港の音楽が鳴り響いていました。
そしてやがて出港。訓練生が甲板に一列に並び、我々の方に向かって立っています。
タグボートに引っ張られた船がわずかに岸を離れたところで、訓練生である彼・彼女らは動き始めました。
笛の音を合図に、次々とマストを登っていきます。
縄梯子に数十人が一斉に登り出したと思うと、ロープを伝ってたたんだセイルの上に横に等間隔に配置します。
とび職人がロープの上に立ち、腕の力ひとつで宙吊りになっている状態です。
そして笛に合わせて左右に首を振るところなど、まるで運動会の組体操を見るような感じです。
実はここで帆を広げてくれることを期待していた私でしたが、さすがに港の中では帆を広げた雄大な姿のお披露目はありませんでした。
パフォーマンスも一通り終わり、タグボートに向きを変えてもらうと、本当にゆっくりとではありますが自力で沖に向かっていったのでした。

 朝一番から出港のシーンを目にして、しばらくはここ神戸港をブラブラします。
対岸にはメリケンパークがあります。
ここはウォーターフロントの公園で、海を見ながらベンチでくつろぐことができます。
鉄鋼の骨組みをした奇抜な神戸海洋博物館の向こうにはポートタワーがあり、ここからは神戸の町並みを見下ろすことができるのです。

 それではメリケンパークに行ってみましょう。
アメリカンがなまってメリケンと呼ばれていますが、元々はメリケン波止場があったことからこう言われています。
その証拠にメリケンパークの道路側の入口には、メリケン波止場を示す灯りが建っています。
公園に入ると、花壇に波止場を示すイカリが飾られています。
その奥には高さ22mの巨大な鯉のオブジェがあります。
フィッシュダンスと呼ばれるもので、1987年の神戸開港120年を記念して造られたもので、建築家フランク・ゲーリーが設計し安藤忠雄が監修した芸術作品です。

 さらに進むとそこには広大な芝生の公園となっています。
海を臨むメリケンパークがこの場所です。
芝に座り、海風を感じてゆっくりとすることができます。

 またメリケンパークの一角には、震災メモリアルパークがあります。
これは1995年に発生した阪神淡路大震災の記憶を後世に残すためのもので、震災の爪痕がそのまま保存されています。
道路が波打ち、街灯が傾いている様子が見て取られますが、実際は高速道路がなぎ倒され、町一帯が火の海になる悲惨極まりないものでした。

 今日は早起きをして神戸まで出てきたものですから、やがて押し寄せてくるのは空腹感です。
お昼にはちょっと早いのですが、これから元町の中華街に寄ることにします。
横浜ほど広くありませんが、ここ元町の中華街も中国のレストラン、土産物屋が軒を連ね、通りは派手な色使いの中国色の濃いものになっています。
本当は小籠包をつまみながら街を見て回ろうと思っていたのですが、久しぶりに見る青島ビールに懐かしさを感じ、店の中に入ってしまいました。
小籠包セットには、小籠包、胡麻団子、蟹卵丼がついており、それに青島ビールの昼食です。
店の中は中国語が飛び交い、その中で中国語を話せないバイトのお兄ちゃんが四苦八苦していました。
「ビールちょうだい」では伝わらず、片言の中国語「チンゲイウォーピージル」で難を乗り切ることができました。
そして胡麻団子を、お土産に買って帰ります。

 さて食事を終えて店を出たとき、外は大雨。
このまま帰るのももったいないので、元町駅から三ノ宮駅までJRの高架下にずらりと並ぶ商店を見て回ったのでした。

 
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