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[旅の日記]

北野異人館 

 神戸異人館巡りです。
三宮駅から山手に坂を登っていくと、異人館のなかでひときわ目に付くのが、「風見鶏の館」です。
その名の通り、塔の天辺に風見鶏が聳え立ち、北野町の象徴とされています。
レンガつくりのこの建物は、ドイツ人建築家ゲオルグ・デ・ラランデの設計だといわれています。
ドイツ人貿易商ゴッドフリート・トーマスは、ここの主として日本で活躍しました。

 「ラインの館」は、大正4年に建築されました。
「ラインの館」という名前は、昭和53年の一般公開を前に公募して決まったものです。
白とピンクのオイルペンキで塗られベランダを有するなど、明治時代の典型的な異人館のつくりをしています。

 外国人向けの高級借家として建てられた「うろこの館」は、黒光りする独特風貌が特徴です。
建物の外壁は小さなタイルをうろこ状に重ねながら貼り合わせたもので、その名の通り魚のうろこを連想させます。
館内にはアンティークな家具や置物、そして陶磁器が当時のままの姿で展示されたいます。
そして3階からは、神戸の町を一望することができるのです。

 「萌黄の館」は草色っぽく塗られた木の壁の建物です。
ここは、明治36年にアメリカ総領事であるハンターシャープ氏の邸宅として建築されました。
長らく「白い異人館」として親しまれてきましたが、昭和62年の改修時に淡い緑の外壁に塗り替えられて、今の名前で呼ばれるようになりました。
張出し窓を有するなど、贅沢な造りをした建物です。

 「英国館」はコロニアル様式で、一見現在のどこにでもある家屋と見間違えます。
でもここのお薦めは、ロンドンタクシーの前での記念撮影です。
黒光りしたレトロ調のロンドンタクシーが、庭の片隅に停まっています。
そして黒のコートが貸し出されており、それをまとっての撮影は明治時代のイギリスにタイムトリップしたかのよな気にさせられるのです。

 さて神戸は、海外からの新しい文化の入口でした。
西洋からは、油を入れたフライパンで牛肉を焼き揚げたビフカツが入ってきました。
東京では牛肉の代わりに豚肉を使ったとんかつが流行るのですが、関西ではビフカツ(ビーフステーキ)が一般的です。
大衆食堂でもメニューに掲載されている、安くて大衆の食べ物です。
甘みと酸味のあるドミグラスがかかった、満足のいく一品なのです。

 今回何軒かの異人館を回ったのですが、そのほかにも明治時代にこの土地に住んでいた各国の人々のお国の色濃い建物が数多く並び、異国情緒漂わせる北野の街を飾っているのでした。

 
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