にっぽんの旅 関東 山梨 富士山

[旅の日記]

富士登山 

 日本の誰もが知っている富士山が、本日の旅です。
それも山頂を制覇することが今回の課題です。

 標高3776mの富士山は、日本一高い山であり日本一美しい山です。
そんな富士山に登ってみることにします。
車の乗り入れができる5合目が今回のスタート地点です。
木の杖を手に入れて、これを頼りに登山を始めます。

 褐色のごつごつして軽石のように空気穴がある小石が、転がっています。
山の地肌は、見渡す限り褐色です。
登山道は踏み固められ、一目瞭然です。
途中の会話もなく、黙々と登り始めます。
この日は、8合目の山小屋に泊まることにします。

 山小屋に着くと、真っ先に杖に焼印を入れてもらいます。
これからあとは、軽く夕食を食べて寝るだけです。
ベットと言うのは名ばかりで、押し入れのような2段の台が横に長く続いています。
まるでドラえもんになった気分です。
すぐ横には別の人が寝ていて、寝返りも満足に打てません。
ここでとりあえず仮眠を取ります。

 翌朝はまだ深夜のうちからの出発です。
今日は日の出までに頂上に着くよう、山頂を目指します。
時折取る休憩以外は、昨日以上に坦々とただ歩き続けます。
トマトとレモンをリックに入れて持ってきているのですが、それさえも放り出したいくらいに疲労感が漂ってきます。

 そんな甲斐もあって、なんとか日の出前に山頂に到着することができました。
あとはゆっくりと日の出を待つだけです。
皆が夜を徹して登山するのは、山頂でのご来光を楽しむためなのです。
山頂には辿り着きましたがあとは天候任せで、ご来光を見ることができるのかどうかをただ祈るだけです。
幸いにも本日は天気も良く、美しい富士山からのご来光を眺めることができたのでした。

 陽が明けると、これまで真っ暗だった山頂の様子が徐々に明らかになってきます。
山頂火口「お鉢」が口を開けている姿も、この眼で見ることができます。
「富士山頂上浅間大社奥宮」で登頂記念に、御札を頂きます。
ここは富士宮市にある本宮に対して、ご神体である富士山の山頂に位置する奥宮です。
もちろん、日本で一番高いところにある神社です。
また「お鉢」の反対側には浅間大社の末社である「久須志神社」があり、脇から鳥居越えに下界を見渡すことができます。

 それでは、ここで山小屋で作ってもらった弁当を食べます。
弁当と言っても、おにぎりが2つにお新香。
気圧が高いところで炊いた米だけあって、芯が残っているかどうかのきわどいところ。
でも歩き疲れたあとのご飯の味は、格別です。

 苦労して登った山頂ですが、下山に関しては途中から大砂走りをいとも簡単に駆け下ります。
靴が半分以上砂に埋まりながら、ひた走ります。
走りたくなくともブレーキが効かず、ついつい走ってしまいます。
おかげであっという間に下りることができたのでした。
もっとも、足のまめに気付きまでには、そう時間がかからなかったのですが。

 さて写真は、山頂が雪に覆われた別の日の富士山の様子です。
飛行機からの眺めです。
いずれにしても、日本一の山を登ったことの満足感に浸ることができた、今回の富士登山だったのでした。

旅の写真館 (1) (2) (3) (4)