にっぽんの旅 関東 東京 両国

[旅の日記]

相撲の聖地 両国 

 両国に来ています。
相撲で有名な両国で、お昼にしましょう。

 両国駅には「力相撲」の石像が飾られています。
そして駅の北側を振り向くと、目の前に「国技館」があります。
多目的ホールですが、大相撲で使われるのでご存知の方も多いことでしょう。
実際に、建物のなかには「相撲博物館」もあり、歴代の横綱などの相撲の歴史が展示されています。
古事記や日本書紀にも力くらべの記載があり、農作物の収穫を占うための宮廷の行事として、相撲は毎年行われてきました。
鎌倉時代以降は武士の戦闘の訓練として、相撲が盛んに行われます。
そして江戸時代に入ると、相撲を職業とする人が現れ定期的に相撲興行が行われます。
歌舞伎と並んで一般庶民の娯楽として、現在の相撲の姿を作っていきます。
こうして、我が国固有の伝統文化として確たる地位を築いてきました。
テレビで気軽に観ることのできる相撲ですが、土俵に近い溜席や桝席ともなれば10,000円を超える贅沢な遊びなのです。

 その隣には、「江戸東京博物館」があります。
ここでは江戸の文化や町の暮らしぶりが、展示されています。

 それでは駅の南側に移動し、相撲部屋の料理のイメージがある「ちゃんこ鍋」を食べに行きます。
「横綱横丁」の近くのちゃんこ屋に入ります。
訪れた時の日替わりちゃんこは、幸運にも海鮮ちゃんこ。
得した気分になり、魚ばかりの鍋が煮えるのを待ちます。
シャキシャキしたもやしと煮えた白菜などの野菜、それに数々の白身の魚と海老や貝、それに豆腐と揚げが味噌と相まって、旨い出汁を生み出しています。
鍋を楽しみながら食べると、あっという間に時間が経ってしまいました。

 ここからは、駅の南側を歩いて行きます。
駅前の国技館通りには、力士の銅像が並んでいます。
銅像とともに手形もあります。
さすがに相撲取りだけあって、大きな掌をしています。

 京葉道路との交差点には、「回向院」があります。
「回向院」の境内には「両国元町常設館」があり、相撲の興行がここで行われていました。
つまり、旧国技館がここにあったのです。
そして境内には、相撲協会が歴代相撲年寄の慰霊のために建立した「力塚」もあります。
今では弟子たちが力を授かるよう祈願しに来るようになりました。

 そしてこの辺りには、相撲部屋も多く集まっています。
春日野部屋、井筒部屋、出羽海部屋、時津風部屋、陸奥部屋などがあります。
順に巡ってみます。

 相撲部屋を巡っていると、白い塀で囲まれた「吉良邸跡」にたどり着きます。
浅野匠頭守による殿中刃傷事件の後の1701年に、建設された吉良家の屋敷です。
有名な赤穂浪士による仇討ち事件が起こった場所なのです。
「本所松坂町公園」として当時を惜しんだ地元の有志によって、整備され残っています。

 さて、隣駅の浅草橋まで移動します。
神田川の川辺には、隅田川の川下りを楽しむための屋形船が待機しています。
今日は昼食が終わったばかりで無理ですが、本来は屋形船に乗り込んで隅田川で揺られながら食事をするのです。
日が暮れると船に灯りがつき、幻想的な風景を生み出します。

 ちゃんこで満足をした両国、浅草橋の散策でした。

 
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