にっぽんの旅 関東 栃木 宇都宮

[旅の日記]

宇都宮の餃子 

 本日は東京から普通電車で1時間半、栃木県の宇都宮に来ています。
なぜ来たかって?、それは餃子が食べたくなったからと言ってもいいでしょうか?
それだけのためにわざわざ来るな!と言われそうですが、本当に本場の餃子を食べたくなったのです。
今日はここ東部宇都宮駅からJR宇都宮駅までを東に進み、宇都宮の町を散策します。

 東武宇都宮駅に降りると、駅前商店街のアーケードに沿って歩いていきます。
土曜日の昼だというのに、商店街は先を見渡せるほどの人しか居ません。
所々シャッターの閉まっている商店もあります。

 まず訪れたのは「松が峰教会」です。
1888年にパリ外国宣教会のカジャック神父によって、宇都宮天主公教会として川向町に建てられました。
その後、現在の松が峰に土地を移しています。
この協会が有名なのは、地元大谷町で採れる大谷石をふんだんに使って建てられた教会で、外壁のみならず祭壇、柱に至るまでもが大谷石を使っています。
石のずっしりとした造りに、教会の威厳を感じます。

 その1筋違いの場所に、「大いちょう」があります。
樹齢400年のいちょうは宇都宮市街地でも一番長生きで、この辺りのシンボル的存在です。
高さ6.2mの巨木が、交差点の隅に腰をおろしており、秋には黄金色に色づくということです。

 ここから、さらに南下しましょう。
「宇都宮城址公園」は、かつての宇都宮城を思い起こさせます。
ここは関東7名城のひとつに数えられ、江戸時代の歴代の将軍が徳川家光が祀られている日光東照宮に参る際の、宿泊場所として使われました。
今では天守閣こそありませんが、土塁の上に清明台、富士見櫓が復元されています。

 みはし通りを北上し、宇都宮の繁華街である大通りに向かいます。
宇都宮屋台横丁、パルコを越えて、大通りを渡り切った先には「二荒山神社」があります。
ケヤキで造られた大鳥居を潜ると、その先には長い階段が続いています。
崇神天皇の第一皇子で毛野国の開祖である豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)を、主祭神としています。
長い階段を登り終えたところに拝殿、神楽殿があり、お参りすることができます。

 お参りを終えると、再び「大いちょう」沿いのいちょう通りまで南下し、一路東に進みます。
「善願寺」は、796年に征夷大将軍の坂上田村麻呂が如意輪観音を祀ったことに始まるとされる、天台宗の寺院です。
宇都宮大仏とも言われる「大豆三粒の金仏」が有名です。
銅造盧舎那仏坐像のことで、その昔仏像を建てるにもお金がなく困っているときに、旅の僧が大豆三粒を寄進し、「大豆を増やすことで資金ができる」と諭されたとされます。
その後、言いつけ通り無事にお金が集まり、無事仏像が建ったという伝説が残っています。

 今度は「善願寺」の横に流れる田川に沿って北上します。
現在は鉄塔婆収蔵庫に展示されており、収納室の重い扉を開け自分で照明をつければ、いつでも見ることができるようになっています。

「およりの鐘」は「宝蔵寺」の山門の上にあります。
宇都宮氏が寄進したもので、宇都宮に時を告げる鐘として夕暮れ時に鳴らされ、地元の人々に親しまれてきました。
表面には宇都宮氏の三つ巴の紋が描かれています。

 そしてその先の「清厳寺」には、「鉄塔婆」があります。
高さ3.3m余りの鉄製の板塔婆は、関東地区に多く分布する板石塔婆と同じものですが、材質が鋳鉄製である点と長さが長大であることに加えて、この寺の鉄塔婆は日本最古の鉄製の塔婆とされています。
「母は四恩の先であり、孝行は百行の源である」との言葉が刻まれています。
 「善願寺」からほど遠くなくJR宇都宮駅のすぐそばに、「旧篠原家住宅」があります。
江戸時代から続いた豪商篠原家は、宇都宮を代表する旧家の一つです。
1895年に建てられたこの建物は、大谷石と黒漆喰で塗り固められ、第二次世界大戦の宇都宮の大火にもひるむことなく、当時の姿を残しています。
2階建ての建物は内部を見学することができ、巨大な大黒柱や2階の20畳の大広間など、醤油醸造業や肥料商で巨額の富を得た篠原家の一端を垣間見ることができます。

 さて、ついにJR宇都宮駅までたどり着きました。
駅前のバス乗り場には、餃子の姿をした女性の石像が飾られています。
そう、ここは餃子の街です。
駅ロータリーの周りには、餃子の看板を掲げるお店が数多く並んでいます。
そのうちの1件に入ることにします。

 12種の餃子を一度に味わうことができるという、餃子の盛り合わせを注文します。
歩き疲れた時には、餃子と冷えたビールに限ります。
1つ1つ違った餃子の味を確かめながら、喉にビールを流し込みます。
エビあり、貝柱あり、シソ味ありで、皮がカリカリで中は味わいのある餃子を堪能したのです(七味の効いたもの、ニンニクの塊が入ったものは、どうしても苦手な部類にはいるのですが…を除けば…ですが)
宇都宮まで来るだけの価値があったんだという味わいに浸って、宇都宮散策は幕とします。

   
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