にっぽんの旅 関東 埼玉 川越

[旅の日記]

小江戸川越 

 本日訪問するのは、池袋から1時間弱の川越です。
実は昨日は同じ埼玉の森林公園で宿泊し、その帰りの訪問でした。
東武、西武、JRの各川越市、本川越、川越駅からは、北に500m〜1km歩くと「蔵造り町並み」の入口である熊野神社に遭遇します。
ここには銭洗い弁天も祭られている神社でもあります。
そして神社の脇には山車小屋があり、川越祭の主役となる山車を見ることができるのです。
熊野神社とは通りを挟んで反対側に、蓮馨寺があります。
七福神のうちの福禄寿神が祭られており、各七福神を訪ねてお寺詣でをするのもよいのではないでしょうか。
今回はそこまで時間がないので、さらに北に向かい先を急ぎます。

 2〜3分歩くと、古風でがっちりした造りの瓦屋根の家が、通りの両側に建ち並ぶ場所に遭遇します。
仲町から始まるこの一角が「蔵造り町並み」です。
この蔵造りの家は、江戸時代に類焼を防ぐための耐火建築として広まったものです。
酒屋、和菓子屋、お茶屋と店構えは違っても、風情のある構えは江戸の町屋形式を今も残しているのです。
その中でひときわハイカラな塔を見ることができます。
ここは第八十五国立銀行(今のりそな銀行)として明治時代に建てられ、大正時代に建替えられた西洋様式の建造物です。

 さてお目当ての「時の鐘」はその先の脇道にひっそりと建っていました。
「残したい日本の音風景百選」にも選ばれ、城下町川越の町中に音を響かせていた川越のシンボル的存在です。
木造の塔からは、1日4回時を知らせる鐘の音が聞こえてきます。

 「蔵造り町並み」を西に入ると、菓子屋横丁というお菓子屋さんが並ぶ通りに出くわします。
昔懐かしい駄菓子屋さんが、軒を並べているノスタルチックな風景に出合うのです。
お菓子は苦手でも、ここに川越名物のイモビールがありましたので、ちょっと味見することにしましょう。
店先でビールの小瓶を渡されたのですが、せっかくですから店内の椅子で休ませてもらうことにしました。
壁の棚には、昔懐かしい鉄腕アトムのブリキの人形や本が無造作に置いてあります。
いまや骨董品の類に入るものではないでしょうか。
これは子供ならずとも、まさに大人のための休息場です。

 喉をうるおしたあとは、この辺りで「蔵造り町並み」も終わりとなり、今度は東へ進みます。
目指すは川越城本丸御殿です。
市立博物館、初鴈球場に囲まれたところに、立派な門構えのお屋敷はありました。
上杉持朝が足利利成に対抗するために築いた川越城のうち、本丸御殿の玄関部分を復元したものが残っています。
そして5分ほど歩いた小高い丘の上には、富士見櫓跡が石碑として残されています。
天気のいい日は、遠く富士山が臨めたということです。

 ここからは元来た駅のほうに歩いていき、喜多院というお寺に向かいます。
平安時代の建造といわれるこのお寺には、五色の幕で飾られた本堂のほかに、家光公誕生の間や、五百羅漢、朱塗りの山門、仙波東照宮などがあります。
ちなみに七福神では大黒天がここに祀られています。

 その後お土産の芋の饅頭を買うために再び「蔵造り町並み」に立ち寄り、川越市駅まで戻ったのでした。
東京の近場で、これだけ昔の街並みを整備されたところがあったなんで、ちょっと驚かされた1日でした。

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