にっぽんの旅 関東 千葉 成田

[旅の日記]

成田 

 成田空港は利用しても成田駅には降りたことがなかった・・・そんな成田を本日は散策します。
成田といえば、言わずと知れた成田山新勝寺の門前町です。
JRそして京成電鉄が行き交い、東京からも思いのほか便利な所です。

 JRの成田駅を起点に、表参道を進みます。
10分ほど歩くと、左手の米屋、団子屋の先に薬師堂があります。
ここから斜めに入る道が新勝寺への参道です。
道の両側には、漬物屋、薬屋、煎餅屋、そして食堂や土産物屋が軒を並べています。
ひやかしがてら、店を覗きながら進んでいきます。
やがて店に代わって昔ながらの作りの旅館が軒を並べだし、いよいよお寺が近くなってきたことが判ります。

 新勝寺の総門は、その参道沿いにあります。
突如大きな門が、現れます。
そして総門をくぐり、石段を登りきったところにあるのが仁王門です。
1831年に再建されたもので、天井からは大きな提灯、両側には密迹金剛と那羅金剛が門を守り、境内の伽藍守護の役目を果たしています。
金剛のものなのか、わらじがくくりつけてあります。

 それをくぐると右手前に三重塔、そして中央には大本殿が構えています。
不動明王、四大明王、平成大曼荼羅が安置されている大本殿は、御護摩祈祷を行う中心道場です。
1968年の建立と言うことですから、新しい建物です。
自由に上がって、中を見て回ることができます。
そうこうしているうちに、御護摩祈祷が始まってしまいました。
ここで足止めされては大変と、人の流れに逆らっていそいそと出てきたのでした。

 大本殿の右手に位置する三重塔ですが、この色彩は目を見張るばかりの鮮やかなものです。
遠目ではごく普通の三重塔ですが、屋根を下から覗くと、そこには十六羅漢が彫刻され、赤、青、緑の鮮やかな装飾に目はくぎ付けになります。
雲水紋の彫刻を施した各層の垂木が、一枚板で作られた珍しい建築様式なのです。
そしてその奥には、仏教の祖として崇められた聖徳太子に対して、1992年に世界平和を祈って建立された真新しい6角形のお堂があります。

 大本殿に向かって左の奥には、釈迦堂があります。
前本堂で、お堂の周囲には五百羅漢や二十四孝の彫刻がはめ込まれている総欅造りのお堂です。
釈迦如来を中心に、普賢、文殊、弥勒、千手観音の四菩薩が奉安されています。
大本殿に較べると小ぶりな造りでありながら、ひっそりとした中にも趣のある建物です。

 大本殿の裏手の石段を登ってみます。
高床式の建物なのかと思うような、瓦屋根ながら下が透けた建物が目に入ってきます。
ここは額堂と呼ばれ、信徒から奉納された額や絵馬を掲げる所なのです。
額を納めるだけの建物にしては立派ですが、そこに奉納されている額もこれまた立派で、こげ茶色に変色した額と建物が合致しています。
先には旧本殿であった光明堂があり、これまた1701年建立の歴史を感じさせてくれます。

 ここから先が奥の院への参道です。
右手の一段下がった土地に、水を湛え木々が生い茂る成田山公園が広がります。
そして参道の先には高さ58mの立派な平和大塔があります。
同じ弘法大師が開いた高野山の根本大塔と形がそっくりです。
1階の霊光殿では成田の歴史を資料展を行っており、そこに寄って成田を深く知ったのでした。

 成田さん詣での帰りは元来た参道を帰る訳ですが、参道沿いにある成田観光館に寄って行きます。
ここでは成田の歴史、特に昔の成田詣の賑わった様が展示されています。
また毎年7月に行われる成田祇園祭りの山車も、展示されています。
観光案内も兼ねて無料で資料の展示がされていますので、一度立ち寄ってみてはいかがでしょか。

 駆け足の成田詣となってしまいました。
帰りは、隣の八街市が名産の落花生をかじって時間をつぶします。
本日は行きませんでしたが空港にも近く、近年非常に便利になった成田での1日でした。

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