にっぽんの旅 北陸 富山 宇奈月

[旅の日記]

宇奈月温泉から黒部渓谷 

 今回の旅行は富山県の宇奈月温泉です。

 富山へは、本日は車でのドライブです。
しかしここ宇奈月から先は、車を降りてトロッコでの移動になります。
宇奈月駅には、黒部峡谷鉄道のトロッコ列車が並んでします。
まずは明日に備えて、宇奈月で1泊することにしました。
その日の夕食は海の幸あれ山の幸あれの、食べきらないほどのご馳走ばかりです。
地ビールがあるということなのでジョッキをグイグイやってしまったために、目の前のご馳走を残す羽目になってしまいました。
何とも惜しいことで、仕方ありませんでした。

 翌朝、今回の旅行のメインであるトロッコの旅です。
実は昨日宇奈月に到着してからすぐに、本日分のトロッコ列車の予約を申し込んでいたのです。
トロッコというのは関電の発電所がある黒部峡谷沿いをカタカタと走る、何と情緒のある観光列車です。
宇奈月温泉から終点の欅平までは、黒部川沿いに走って約1時間半。
本来ダム建設のために作られた鉄道ですから、木々の間を這うように敷かれた線路はおもちゃの乗り物のようです。
列車には値段別に数種類あるのですが、今回はあえて自然に親しむために窓も空調もない最もシンプルな普通車を選びました。
峡谷の旅は夏といっても特に暑いわけでもなく、トンネルに入ればヒヤッとするほどでした。

 黒部川の静かな流れは、トロッコが進むについて白い波しぶきを目にするようになります。
ゴツゴツした岩肌が並ぶところもあり、トロッコから木々の間を通して見える河原は、次第に険しいものになっていきます。
音を上げながら、おもちゃの電車は列車は懸命に上り坂を登っていきます。

 そして。ようやく欅平に着きます。
ここでは帰りの列車を3時間ほども先の時間の予約にして、河原でゆっくりと水遊びを楽むことにしました。
川に足をつけるとしびれるほどの冷たさで、上流からの黒部の山々の雪解け水であることを実感させられました。
川の流れは急で、落っこちれば助かることのないような激流です。
木切れを投げると、流れにのまれて一瞬見えなくなり、あっという間に下流に流されてしまいます。
熱い太陽に冷たい川で、居心地の良い場所には間違いありません。
何を考えるでもなく、川の流れを眺めてポケっとするのでした。

 あっという間の3時間が過ぎた後は、宇奈月までをトロッコで戻ります。
帰りのトロッコは、ほとんど動力を使うことなく、坂をころがり下りていくジェットコースターのようなものです。
ブレーキをかけながら、トロッコ列車は疾走します。
思いっきり遊んで、再び宇奈月温泉に引き返してきたときには、昼もとっくに過ぎていたのでした。

 
旅の写真館(1) (2)