にっぽんの旅 北陸 富山 氷見

[旅の日記]

日本海の幸 氷見漁港 

 富山県の石川県との県境の町、氷見にやってきました。
本日は漁村の氷見を巡ってみます。

 氷見へは、高岡からJR氷見線に乗っていきます。
「忍者ハットリ君」がペイントされたラッピング車両が、駅に入ってきました。
そう、これから行こうとする氷見は、藤子不二雄の藤子不二雄A(安孫子素雄)の出身地です。
藤子Aの代表作である「忍者ハットリ君」が、車体にも描かれています。
車内の至る所にもハットリ君が描かれ、藤子不二雄Aワールドの楽しい車両です。

 電車は、海岸線を海を見ながら走ります。
海上には奇岩が顔を覗かせています。
渚の美しい「雨晴海岸」付近で見られる「女岩」は、ゴツゴツした岩肌でありながらてっぺんに木が生えるといった面白い姿をしています。
ここは富山湾越しに見る立山連峰の眺めでも有名なところで、次回来るときには立山が雪に覆われた時期に来たいものです。

 「JR氷見駅」は、氷見線の終点の駅です。
駅の屋根瓦には、魚の形をした瓦が使われています。
そればかりかマンホールの蓋の図柄も魚で、漁業で栄えた町を表しています。
「須々能神社」を越えて、海岸に出ます。
やがて、ハットリ君の巨大な壁絵が見えてきます。
ここは「氷見の寒ブリ」で有名な「氷見漁港」です。
今の時期は寒ブリはないのですが、漁港には漁を終えた船が停泊しており、今日の食事が楽しみです。

 その隣には「ひみ漁業交流館 魚々座」があります。
漁に使う船や越中式定置網が展示され、細かな解説がされています。

 また左右に張られたワイヤーが美しい「比美乃江大橋」を渡ると、そこには「ひみ番屋」があります。
ここで、氷見で獲れた新鮮な魚を食べることができます。
このために昼時に氷見に着くように来たものですから、早速食事のできる店を探します。
「氷見うどん」も捨てがたくて迷ったのですが、やはりここまで来たからには魚を口にせずには帰れません。
1軒の店に入り、海鮮丼を注文することにします。
漁港が近いので安く食べることができると期待してきたのですが、それなりの値はします。
その代わり、ご飯が隠れて見えないくらいの刺身が何重にも重なった丼です。
甘い白エビの造りまでが、盛られています。
申し分のないくらいの、刺身の応酬に会ったのでした。

 お腹も満足したので、ここからは氷見駅に方向を変えて氷見の中心である「潮風通り」を歩いて行きます。
ここは氷見一番の商店街で、通りの両側はアーケードになっています。
ただし他の場所のアーケードと違うのは、瓦屋根を持つ立派な日本家屋が店になっており、アーケードの上からその瓦が顔を出しています。
そしてこの商店街は、「まんがロード」と呼ばれています。
通りには「喪黒福造像」や「ハットリ君像」「サカナ紳士録像」が立っています。
なんとポストの上にもハットリ君がいて、漫画の主人公が勢ぞろいしています。

 それでは、中央町付近の寺院探索をしてみます。
休憩所の「中央町ポケットパーク」の裏手に「円照寺」はあります。
立派な山門を構え、そこを潜ると境内には「氷見中央幼稚園」が併設されています。
そして、その隣には「日宮神社」があります。
天平年間の勧請という古い神社で、朱色が艶やかで眩しい拝殿が目を引きます。

 そして加賀藩前田家ゆかりの古刹「光褝寺」は、1326年創建の寺院です。
山門の前に立つと、境内になにか見たことのあるものが並んでいます。
近くに寄って見てみると、「忍者ハットリ君」「怪物君」「プロゴルファー猿」「笑ぅせぇるすまん」の藤子不二雄Aの作品が石造になって置かれています。
そう、ここ「光褝寺」は、藤子不二雄Aの実家なのです。
ちなみに藤子不二雄とは、藤子不二雄A(安孫子素雄)と藤子F不二雄(藤本弘)の2名の共同ペンネームのことで、解散後はそれぞれで活躍しています。

 その先も「まんがロード」は続きます。
氷見駅方向に向かって、「潮風通り」を南に進んでいきます
湊川に架かる「復興橋」は、1918年の氷見町大火の時に、これまであった「中の橋」を再現した橋です。
山型のモダンな形と、中央には橋灯が装備されています。
焼け野原から立ち上がることを祈願して「復興橋」と名付けられました。

 こうして駅に着き、氷見の町巡りは無事終わったのでした。
魚が美味しい氷見なのだから、それに合う酒も美味しいに違いない。
勝手にそう決めて、氷見の地酒を探しに酒屋に入ります
本日の土産の酒を、大切に持って帰ったのでした。

       
   
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