[旅の日記]
上中の瓜破の滝 
福井県の上中。
JR小浜線の小浜から、敦賀方向に進んだところに来ています。
小さな田舎の駅を、本日は散策してみます。
上中駅前は何があるでもなく、降りるのは通学の学生ぐらいです。
無人駅のため、1両編成のワンマン電車では切符を運転手に見せながら下車する必要があります。
駅前はロータリーがありますが、電車と同じく1時間に1本のバスが通過するぐらいで、駅前には大した店もありません。
ここから小浜方向への国道である丹後街道を歩いて行きます。
駅のそばには木々が茂った1角があり、鳥居が建っています。
弁財天で、この地域を見守っています。
その先はガソリンスタンド、パチンコ屋がある程度で、大きな変化はありません。
20分くらい進んだでしょうか。
「天徳寺」への登り口の信号があります。
ここからは国道離れて、山側に進んでいきます。
道路端の溝には、水が並々と流れてきます。
その源に向けて歩いて行きます。
やがて「若狭瓜割名水公園」が見えてきます。
緑豊かな公園には至る所に池があり、湧き出した水を湛えています。
数人の高校生がカメラ片手に、公園の撮影をしています。
課外授業なのでしょうか。
そして「天徳寺」は公園の中にあります。
泰澄大師の開基と伝えられており、この地を訪れた泰澄大師が馬頭観音像一躯を刻んで山腹の岩窟に安置したことが寺の起こりとされています。
庭園がきれいな高野山真言宗の寺院です。
さて目指す「瓜割の滝」は、この奥の鳥居を潜って進んでいきます。
その先の広場の先に、水の流れる音がひときわ大きくなるところがあります。
覗いてみると、あちらこちらから水が落ちてきています。
落差は決して大きくないのですが、澄んだ水が白い波を立てて流れる様がこの上なく美しいのです。
4500t/日の水が湧き出すこの公園は、日本の名水百選にも選ばれたところです。
水温は年間を通して12度弱と冷たく、瓜が割れるほどの冷たさということから「瓜割の滝」の名前が付けられています。
またここは、朝廷の雨乞いを司る祈祷所だったとされており、滝口には鳥居が建てられています。
都会の騒がしさから逃避し、緑に囲まれて水のせせらぎを聞きながら時間を忘れることができるのです。
そんなプチ贅沢をすることのできる「瓜割の滝」でした。
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