にっぽんの旅 北海道 北海道全域 知床五湖

[旅の日記]

知床五湖とサロマ湖 

 北海道の旅、今回は道東の旅です。
知床半島とその北西の網走、サロマ湖です。

 釧路からの電車は、釧路湿原の中を斜里駅に。
斜里に着いたときにはもう日が暮れかかっていました。
斜里駅で予約していたレンタカーに飛び乗り、今日の宿はオシンコシンの滝のすぐ近くのホテル。
大きな観光ホテルなのですが、時季外れのこの時期では都会のビジネスホテル並の料金で、ここでは2食付きの待遇となるのです。
この日はとりあえず宿に入り、ホタテの刺身で明日への準備となりました。

 翌日、まずはホテルの前のオシンコシンの滝へ。
名前はあまりにも有名なので、是非見ておきたいと思っていたうちの一つです。
その後車は知床半島の先に向かってまっしぐら・・・といってもまだ雪の残るこの時期、車で行けるのはウトロ、せいぜい知床五湖までなのです。
それではと神秘の湖 知床五湖へ。
普通観光バスで大勢で押し寄せるのですが、私はただひとりの旅。
何が怖いかって、冬眠から目覚めたクマに会うのが最大の恐怖なのです。
車を降りても道の至る所に「クマ注意!」の看板が。
クマに追いかけられたときにものを捨てながら逃げると良いと聞いたので、ポケット中にはハンカチや色の付いたビニール袋が一杯で、いざ出陣。

 笹の生い茂った散策道は、人の身体がすっぽり隠れるほどの不気味さなのです。
恐る恐るそしてクマ対策に音をたてながら進んでいくと、笹の隙間からそこには透き通った湖が。
足下には水芭蕉の花が咲き、その神秘さは北海道一といっても過言ではないでしょう。
その名の通り5つの湖を順に廻り、胸一杯の満足に浸って車に戻ると、なんとそこにキタキツネが出現したのでした。
遠目にこちらを眺めているではありませんか。
しばしにらみ合い(といっても険しい目つきではありません)
何故かキタキツネが背を向けるまで、その場を去るのがもったいなかったのでした。

 そしてその日はそのあと紋別の方へ行かなければなりません。
実はこの時期、滝上の芝桜を一目見たかったからです。
今日の宿泊地であるサロマ湖を通り過ぎて滝上まで、無謀とも言うべき距離をひたすら車で走り続けたのでした。
でも本州と北海道とでは「ちょっとそこまで」という場合の距離が違うのです。
そう意味から言えば決して無茶な距離でもなかったのかも知れませんが。
途中、小清水原生花園に寄って、網走、サロマ湖を経て滝上までの小旅行です。
滝上では小高い丘一面がピンクの芝桜がビッシリ敷き詰められていました。
言って判ったのですが、芝桜と言っても木の桜ではなくてピンクの色をした花を付ける草のことだったのです。
木であれ草であれ、丘全体がピンクで染まっているその様は圧倒されました。

 芝桜を堪能した後、今日来た道を少し引き返す形になりますが、本日の宿であるサロマ湖へ。
サロマ湖ではリゾートホテルを取っていたのですが、閑散期ということもあってツインの部屋をシングルの料金で使わせてもらうことができました(もちろん一人での宿泊ですが)

 翌日三日目は、今回の旅の最終日。
朝から自転車を借りて、サロマ湖の散策です。
季節が夏ならばサンゴソウで湖面が朱色に色付くとのことですが、今回はフツーの湖。 でも静かにたたずむ湖面には、心洗われるものがあります。
サロマ湖は陸の中の湖でなくて海とを長い砂州によって区切られた、隣が海の湖なのです。
その砂州を自転車で走るのは気持ちのいいものです。
足場は決していいとはいえないものの、左に静かな湖面をたたえたサロマ湖、そして右には荒々しいオホーツクの海と実に対照的なふたつが同居しているところなのです。
レンタサイクルのサイクリングで一汗かいて、サロマ湖ともお別れしました。

 さて車は網走の街へ。
昨日通り過ぎてきたことろだけに、道には迷うことなく網走に到着。
網走に来たなら網走刑務所へと足を運んだのですが、刑務所自体は門の前まででシャッタアウト。
映画で見たことのある高い塀で囲まれた建物は、実は今では軽い刑の人が入るところに様変わりしてしまっていたようです。
その代わり近くに博物館網走監獄なるものがあり、そこでは当時の極刑者の刑に服する様子が再現されていました。
もちろん原寸大の刑務所の再現もあり、それは見て損をしないここだけにしかない博物館です。
北海道開拓の名のもと受刑者が駆り出された極寒のなかの道路工事では、多数の犠牲者が出た当時の様子がありありと紹介されていました。
刑務所見学の後は、そばの天都山展望台へ。
オホーツク海を見渡すことができ、しばし眺めを楽しんでいました。
隣には流氷博物館があり、珍しいもの好きの私はあるもの拒まずで片っ端から見て回りました。

 今回の中身の濃い旅の帰りは女満別空港で幕切れです。
車を飛ばし、田舎の空港(?)女満別へ。
事故もなく無事終えることができました。
ところで女満別空港でレンタカーを返したのですが、そのときタイヤのホイールキャップのなかった車は私です。
実は気づいてはいたのですが返車時の車のチェックで指摘されなかったので、つい言いそびれてしまいました。
ご免なさい!

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