にっぽんの旅 北海道 北海道全域 釧路

[旅の日記]

道東の都市 釧路 

 本日は道東の都市、釧路です。
観光での釧路湿原への窓口である以外は製紙、漁業が盛んな町で、新鮮な魚には事欠きません。
JR釧路駅前の北大通りの両脇には大きなビルはないものの、それなりのビルで埋まっています。
そして駅には釧路らしく、巨大なマリモの水槽があります。
マリモといえば球状のものをイメージしますが、大きな球状の集合体を形成するのは阿寒湖と小川原湖だけなのです。

 来ていきなりですが、やはり北海道と言えばジンギスカン料理です。
中央が盛り上がった網に羊肉を乗せて焼いて食べると、なぜかビールが進みます。
そして料金が手ごろなことも嬉しいことのひとつです。
翌日からの散策に備えて、この日はしっかりと栄養をつけたのでした。

 駅の近くに市場がありますので、そこに寄ってみることにします。
「和尚市場」では、海で採れた魚が並んでします。
ここの名物は「勝手丼」と言われるもので、まず最初にご飯の入った丼を買い、あとは店を見ながら好きな具材を乗せていくのです。
ウニ、カニ、イクラ、サーモン、ホタテなど、好き勝手に乗せてしまうと、かえって高くつくことがありますので、値段よりも選ぶことを楽しむためのものです。
それにしても、新鮮な海の幸には目が釘付けになります。

 駅前に戻り、北大通りを南に向かって進みます。
釧路川の手前には、川に沿って建てられた巨大な商業施設の釧路フィッシャーマンズワーフMooがあります。
土産物も、ここで揃える頃ができます。
東北の震災時には、ここにも津波が押し寄せ、長い間この施設も使用停止となりました。
半年前に訪れた時には、建物に入ることもできなかったのです。
Mooの横にはEGGと呼ばれる温室があり、暖かい地方の樹木が植えられています。
太平洋側なので意外と雪の積もらない釧路ですが、やはり暖かい地方の風景はここでしか見ることができないのです。

 釧路川に架かる橋は「幣舞橋(ぬさまいばし)」と言い、初代が1900年に造られています。
それまでは「愛北橋」と呼ばれた全道一長い木橋でした。
橋の欄干には春・夏・秋・冬を表現する「四季の像」が立っており、北の国のエキゾチックな香りを漂わせています。

 「幣舞橋」を渡り、釧路川を下ったところに「港文館」はあります。
ここは、石川啄木が1908年に76日間勤務した旧釧路新聞社を復元したもので、啄木がこの地を訪れ漁港で栄えていた釧路を駆けずり回っていた時の資料が展示されています。
記念館というよりも市民の憩いの場となっており、実は外の寒さに耐えられずにここでコーヒーを頂いてしまいました。

 ここで「幣舞橋」まで戻り、花時計の脇の坂を登ります。
「出世坂」と呼ばれる階段ですが、車なら大回りしてくるところを高台まで一気に登るのですから、かなりきつい階段です。
ここを登り切り、さらに1km余りをバス通りに沿って歩いたところに、博物館はあります。

 「釧路市立博物館」では、釧路の自然や歴史、アイヌの人々の暮らしが展示されています。
化石が発見されたマンモスや、エゾシカ、ヒグマからカニ、サケに至るまでのこの地方の生態が、余すところなく紹介されています。
釧路の歴史では、一大漁港である釧路の近世の様子が、現存する道具や衣類を基に再現されています。
そして同等の貴重な鳥であるタンチョウの鳴き声と映像が、スクリーンで楽しむことができるのです。
館内は混むこともなく、ゆっくりと見て回れます。

 「釧路市立博物館」のそばには、「ヒブナ」の生息で有名な「春採湖」が広がっています。
周囲4.7kmの広大な湖は、淡水と海水が混じった汽水湖で、周りの公園には様々な鳥と昆虫が寄ってきます。
北海道には十数回来ているのですが、ほとんどが冬場(時期的には春や秋もあるのですが、この地にとっては冬ばかり)で、次こそは温かい季節に来たいものです。

 「春採湖」のそばには、釧路臨港鉄道の春採駅があります。
といっても貨物専用線で、その場所に来なければ鉄道が走っていることすら判らないくらいです。
オレンジの軌道車と、それとすれ違う水色の軌道車です。
石炭輸送列車でまれにしか走ることはなく、列車の姿を見られたということは何と幸運なことなのでしょう。

 ここからは進路を、北海道教育大学そして幣舞小学校に向きを変え、再び釧路駅方向に向かいます。
柵のない自由な幣舞小学校の隣には、「モシリヤ砦跡」があります。
「モシリヤチャシ」と呼び、アイヌの砦を意味します。
先ほどの「春採湖」の畔にも「鶴ケ岱チャランケチャシ」があったのですが、こちらのチャシは大きく盛り土がされており、規模の大きいものです。
チャシについて詳しいことは何一つ残っていませんが、アイヌ人が和人と戦うために築いたのではないかと言われています。

 さて「幣舞橋」に戻ってきたときには、既に夕暮れ時です。
釧路港に沈む夕日に「四季の像」が映る姿は、非常に美しい光景です。
この写真を撮るためにわざわざ戻ってきたと言っても過言ではないのですが、私以外にも立派な一眼レフを片手にシャッターを切っている人がいたのは事実です。

 本日は、ここ釧路で始まったと言われる「カツスパ」を食べに行きます。
実は釧路に来るまで知らなかったのですが、スパゲティの上にとんかつが載った料理は、ボリューム満点です。
山盛りの麺のうえに、覆い隠すような大きさのとんかつです。
これひとつ食べるとおなか一杯(はっきり言って途中で飽きてしまうぐらいすが)なのですが、大盛りを注文する人がいることにもびっくりしました。
冷汗をかきながらも、何とか完食することができました。
それにしても「カツスパ」の大盛りを平らげていた人がいたことには驚きです。

 それ以外でも食事には不自由せず、美味しい釧路を満喫したのでした。
何よりも食材や安いということは、嬉しい限りです。
そのうえ、海鮮類は新鮮なものばかりです。
ただし食べている間(19時台)にバスはなくなるので、足の確保だけは忘れないように!

     
   
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