にっぽんの旅 中国 鳥取 鳥取砂丘

[旅の日記]

鳥取砂丘 

 現在朝の5:00すぎ。実は鳥取砂丘の風紋を見ようと早起きしたのです。
ところが外に出ると昨晩の大雨で地面は湿ったまま、土が湿っているのであれば砂はどうかと海側を眺めるのですが、砂といえども連日の大雨には勝てずといった状態です。
「今日は風紋も期待できないか」と、改めて寝床に着いたのでした。
一旦は寝床に着いたものの、せっかく休みを取って鳥取まで来たからには、風紋を見て帰らないことにはどうしても諦められません。
朝食を済ませた後、一か八かの挑戦が始まります。

 砂丘に到着したのは、すでに9時を回っていました。
久しぶりの晴れ空で、正面の馬の背の砂の丘がまぶしく見えます。
しかし風紋は見えず、やはり昨晩までの雨と無風で運がなかったとしか思えません。
そうとなれば目の前の馬の背まで突っ走りたいところですが、ここは大人の行動・・・風紋のために策を練ります。
聞くところによれば、馬の背に直接行くよりも風紋が出る可能性のある場所があるらしいということ。
場所がどこなのかはネット上ではお教えできませんが、確かにその場所は誰もが行き来する場所ではないようです。
ちょっと歩きにくいところではありますが、一般の観光客とは違った方向に進んでいきます。
5分も歩いたでしょうか。人の足跡で荒らされていない場所に辿り着きました。
じっと砂の表面を眺めてみると、なんとなく筋が見えます。
期待していた風紋のように砂の表面にはっきりとした凹凸があるわけでもないのですが、なんとなくへこんだところの乾き切らない水を含んだ砂とは対照的に、これまたなんとなく膨らんだところでは朝の陽ざしを受けて乾いた砂が白く見えるのです。
そして注意深く眺めてみると、風紋のように同一方向に無数のまだら模様の砂の筋が浮かび上がってくるのです。
本来の風紋とまではいかないしても、これは列記とした風紋モドキではないでしょうか。
「これはやった!」って感じです。

 本日の目標の9割方を達成した気分で、風紋モドキを踏み散らさないように、恐る恐る馬の背まで進みます。
そして小高い砂の丘を、一気に登りきります。
そのころには、一般の観光客も増え、ここ馬の背の砂は人の足形で荒らされてしまっていました。
丘の先には日本海がすぐそこに見えます。
今いる丘をころぎ落ちたら、直接日本海にはまってしまうことでしょう。
しばらくは頂上にかがみ、波の行き来を眺めてみることにします。

 朝から砂丘を見て回り、次に車で訪れたのは白兎海岸海岸です。
淤岐嶋からサメ(ワニという説もある)の上を走って渡った末に、サメから傷つけられた兎を大穴牟遲神が見付けて助け、恋するヤガミヒメを仕留めたという神話「因幡の白兎」の舞台となったのがこの海岸です。
海岸入口には、その話にちなんだ石像が建てられ、また近くには白兎を祭る白兎神社もあります。

 さて、さらに車は西に進みます。
浜村温泉を過ぎ、9号線バイパスに乗らずに旧道を右手に進んだ小高い山の中腹に魚見台はあります。
魚見台からは湾全体を見渡すことができます。
昔はここから海を眺め、魚の有無を判断して船を出すことの指示をしていたと言うことです。

 そして本日後半は、青谷町の浜でのんびりと過ごします。
鳴き砂で有名なここは、天気の良い日ならば浜辺を歩くと砂がキュッキュッと泣きます。
きれいな砂浜でなければ鳴き砂現象は起こらず、日本でも数少ない鳴き砂の名所です。
ここでも昨晩までの長雨が、残念な結果を導き出してくれました。
次回来る時には、きっと素晴らしい音を鳴らしてくれることでしょう。
その代わり、ほとんどプライベートビーチに近い人気のない砂浜で、残り半日をゆっくりと過ごすことができたのでした。

     
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