にっぽんの旅 中国 島根 出雲

[旅の日記]

大国主大神を祀る出雲大社 

 本日は、島根の出雲大社を巡る旅です。
まず到着したのは、JR出雲市駅です。
JRと並行して駅が並ぶのは、一畑電車です。
ここから電鉄出雲市駅から味わいのある一畑電車に乗って移動します。
単線の電車は、途中の川俣駅でスイッチバックで前と後ろが入れ替わります。
写真では見にくいのですが、遙堪駅を過ぎたところに旧型の黄色い車体が停まっています。
今回は降りることはなかったのですが、いつか時間のある時ゆっくりと見たいものです。

 電車が到着したのは、終点の出雲大社駅です。
駅の隅には、かつて活躍していたオレンジの車両が展示されています。
社内にも入ることができ、当時の様子を味わうことができます。
 駅からは参道が続き、道の両側に土産物屋が並びます。 店を覗きながら歩いて行くと、5分ぐらい経ったところに出雲大社はあります。
縁結びで有名な神社に、ついにやってきました。

 出雲大社は、大国主命が天照大神に出雲の国を譲った際にその見返りとして建てられたものとされています。
正面鳥居をくぐりぬけ松並木の参道を進んでいきます。
すこし開けたところの両脇には、左手に因幡の白兎を再現した御慈愛の像、右手には 大国主命が海神から幸魂奇魂(さちみたまくしみたま)を授かるムスビの御神像があります。
この先の銅鳥居をくぐったところに拝殿があります。
ちょうど訪れた時は約60年毎に繰り広げられる遷宮の最中で、ここ拝殿に御神体が一時的に遷されていました。
遷宮とは痛んできた御本殿の修造の際に、御神体を拝殿へ遷すことです。
有名な伊勢神宮の遷宮は20年に1回、旧の御神殿の横に新しい御神殿を互いに建替えするのですが、ここは御神殿そのものを修復していきます。
本殿には足場が組まれ、その周囲でさえも立ち入り禁止となっています。
ただ、本格的な工事が始まるこの数日間だけは、その足場を利用して本来立ち入ることのできない御本殿を見学することが許されるのです。
幸運にも訪れたのがこの日で、竹の釘を使って屋根の板を葺く様を、半時間かけて3階建ての足場を順に見て回ることができました。

 御本殿を出て右手に道路を越えたところには、神楽殿があります。
ここには長さ13m、胴周り8mの巨大なしめ縄が掛けられています。
下からコインを投げ、しめ縄の先にうまく挟み込むことができれば御利益があるということで、多くの人が上に向かってコインを投げ入れていました。
さて出雲大社の拝礼は、他の神社とは少し変わっています。
通常は2回手を打つ二拍手のところが、出雲大社では四拍手となります。
つまり二拝、四拍手、一拝になるのです。
さすが古事記や日本書紀に記されるほどの神社です。

 神社の西の神楽殿から、今度は神社の東側に抜けます。
県立古代出雲歴史博物館があります。
1744年に造られた現在の御本殿の高さは24mですが、かつては48m、そして96mもの御神殿が造られたとの説があります。
これを裏付けるように、3本の柱を束ねて造られた直径3mの柱の跡が見つかっています。
そして近くの荒神谷遺跡からは358本もの銅剣が出土されており、1ヶ所からの出土された量としては日本一です。
なぜこれだけ多くのものが何のために保管されていたのかは、今もって謎なのです。
これら出雲の国のさまざまのものが、ここ県立古代出雲歴史博物館で展示されています。

 ここからは街を歩いてみましょう。
出雲大社の正面鳥居まで戻り、そこから南へ伸びる道を散策してみることにします。
道の左手には古代出雲大社模型博物館「雲太」があります。
ここには高さ48mと言われている平安時代の御本殿を1/10に縮小した模型が、飾られています。
松江工業高校建築科の生徒の作品で、細部まで忠実に復元されています。
再び一畑電車の出雲大社前駅にやって来ました。
ローカル線の終点駅はレトロ雰囲気を残したままで、いつ出発するのか判らないような黄色い電車がひっそりと停車しています。

 大鳥居を越えてさらに南下すると、次は旧国鉄の大社駅があります。
今はJR大社線の廃線で使われていませんが、瓦屋根木造神殿風の駅舎は当時の出雲大社の玄関口にふさわしい面持ちを表しています。
駅舎やホームも当時のままで残されており、自由に見学することができたのでした。

 そして最後は、出雲そばを割子そばで味わいます。
3段の丸い器にそばが盛られており、上の器から順に食べて行きます。
一番上の器につゆと薬味を入れて、食べ終われば底に溜まったつゆを2番目の器に移して食べ進んで行きます。
頼んだものには、山菜、とろろ、卵の3品が味わえるものでした。

 どうですか、出雲の旅は。
少しでも状況をお伝えすることができたでしょうか。

   

 
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