[旅の日記]
岡山駅の旧型車両と古きを残す出石町 
本日始まりは岡山駅です。
岡山に着いたのに何故駅を離れないのかって?
それは岡山駅が国鉄時代の車両の宝庫だからです。
まず目に入ってきたのが、JR津山線の国鉄色の車両です。
単線非電化の路線で活躍しているのが、ディーゼルカーです。
それも昔のものを大切に使い続けている、今となっては貴重な車両です。
JR赤穂線のホームには、近代的な車両が停まっています。
一方入って来た山陽本線の車両は、旧国鉄時代車両を中国地方のシンボルカラーである黄色に塗ったものです。
別のホームにはJR予讃線の列車が停まっています。
特急列車であるのに先頭部分は垂直に立ち上がっており、普通電車に見えてしまいます。
JR山陽本線の白い車体は一見普通の列車に見えますが、自転車ごと乗れるものです。
日本でもようやく自転車で移動する習慣ができてくるのでしょうか。
JR伯備線に、もうひとつ年季の入った車両があります。
高山線で越中八尾に行ったときにも、乗ったことがある車体です。
運転席の窓が微妙に傾いており、連結部分と微妙に傾きが違うことで覚えていました。
その他にはJR伯備線やJR瀬戸大橋線を走り四国へと行く特急が、代わる代わるやってきます。
胸が躍るのは、隠れ鉄チャンなのでしょうか。

時間を忘れて岡山駅に行き来する車両に見入っていました。
時刻は既に昼前です。
岡山で是非食べたいものがありますので、その寿司屋を目指します。
駅から5分ほど歩いたところの寿司屋にあったのは、「ワラ丼」です。
サワラの頭2文字を取った「ワラ丼」は、サワラの醤油漬けを敷き詰めた丼ぶりです。
味に癖がなく新鮮なサワラが、ご飯を覆っています。
これは隠れた名品ではないでしょうか。
それではここから、観光地とは違う岡山の街を歩きます。
後楽園方向に歩いて行くと、門が閉じられて一角があります。
訪れる予定はしていなかったのですが、ここにあったのは「岡山藩校」の跡地です。
中は草こそ刈ってあるものの、昔の建物が残っているでもないのですが、教育の足跡を感じることができます。
さらに歩いて行くと県道400号線沿いに、岡山県立美術館とRSK山陽放送の立派なビルが並んだところがあります。
県道を渡った先にあるのが「岡山神社」です。
元々は岡山という丘の上に鎮座していました。
ところが宇喜多直家がそこに岡山城を築くに当たり、神社を今の場所に移し岡山城の守護神とし祀りました。
次の城主となった小早川秀秋は、拝殿を造営し今の姿になったのです。
石鳥居を通り木造りの山門をくぐった先には、白っぽい拝殿が広がります。
神社は朱色の装飾を施すという固定概念をひっくり返す装飾です。
さてこの辺りまで来ると「後楽園」は目と鼻の先です。
しかし今回は「後楽園」は訪れず、その先の出石町を目指します。
そこには、古い街並みが残る一帯があるのです。
鶴見橋近くで観光案内所にもなっている「出石しろまち工房」から、後楽園口の交差点に出ます。
ここは後楽園通りと旧津山街道が交わるところ。
そこにあるのは、「ランドマークビル」なる薄いピンク色をした洋館です。
自らがランドマークと名乗るなど、かなり強気のネーミングです。
交差点に合わせて、角が澪がれた5角形の形をした建物です。
中は喫茶店やレストランが入っている、現役のビルなのです。

ふとその向かいを見ると、昔ながらの日本家屋です。
「福岡屋酒店」で、今でも酒店を営んでいるところです。
空襲を逃れて、昔の佇まいをそのままの残しています。
そんな旧津山街道を進んで行きましょう。

左手に「榎本神社」が見えたその先にも、地蔵堂らしき小屋があります。
ここは「油掛大黒天」です。
建物の中には大黒さんがあり、願い事をしながら大黒さんの頭から柄杓で真っ黒な油を注ぎます。
清水ではなく油をぶっかけるなんて、普通だったら罰が当たりそうなところです。
こんなこと、初めての体験です。
その先の交差点の角には、赤壁の家があります。
「天女のコテ絵」と呼ばれ、2階の壁をベンガラ色に塗り、そこに天女が描かれています。
この家(今は会社をしているようです)のご主人の自作と言うことですから、驚きです。
もう少し先に進みましょう。
いまとなっては珍しい「火の見櫓」があります。
この辺りを一望できる高さです。
最近見ることのなくなった「火の見櫓」に出会えて、思わずシャッターを押してしまいました。
まだまだ紹介できない建物ばかりですが、「出石町」の紹介はここまでにして是非実際の町を見に行ってもらいましょう。
飛雄が暮れる前に、再び岡山駅に戻ってきます。
今晩の食事で訪れたのは、お好み焼き屋です。
ちょうど昼を食べた寿司屋の向かいに当たります。
日生で捕れる牡蠣が入ったお好み焼きで、その名も「カキオコ」と言います。
生地に牡蠣が入り、子供のころは苦手でも大人になると旨みに代わる牡蠣の海臭い香りと味がします。
焼けた生地の上にも、2粒の牡蠣がトッピングされて出てきます。
熱々をこてで切って、皿に取り分けます。
普通のお好み焼きに比べて2〜3倍と値段は張りますが、お薦めの1品です。
今日はこれで岡山グルメもお開きです。
本日食べることができなかったものに「デミカツ丼」があります。
デミグラスソースをとんかつにかけたボリューム満点の「デミカツ丼」は、翌日に30分ほど店先で並んだ末に食べることができたのでした。
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