にっぽんの旅 中国 広島 宮島

[旅の日記]

安芸の宮島 

 新幹線が広島駅に着いたのは、午前10時を過ぎたところ。
今日は天気がいいので、早速宮島に向かうことにします。
広島から在来線で30分弱の宮島へは、路面電車で行くこともできるのです。
磯の香りを感じながら、電車は「宮島口」に到着しました。
今日は海外からの客人を連れれての、新幹線と世界遺産の旅です。

 宮島へは、ここからフェリーに乗替えます。
フェリー前方には、海に浮かぶ赤い鳥居を見ることができます。
なお、宮島に行くときには満潮の時刻を予め調べてくると良いでしょう。
宮島観光協会のホームページにも、その日にも日毎の満潮時刻が掲載されていますので、参考になさってはいかがでしょうか。

 宮島桟橋に着くと、外には物怖じしない鹿が、うろうろしています。
奈良公園の鹿でも警戒心があるのに、ここの鹿は自分から寄ってくるのです。
道中のもみじ饅頭の製造工程の展示や焼き牡蠣の実演販売は、いい臭いがして食欲をそそられます。
しゃもじなどの土産物屋のひしめき合う表参道商店街をくぐりぬけると、そこからは大鳥居と厳島神社の双方が眼に飛び込んできます。
海に浮かんだ社屋は、その大きさといい鮮やかな赤色といい、尊大なものです。

 厳島神社は6世紀末の推古天皇の創建と言われ、現在の優美な神殿造りの社屋は、平清盛によるものです。
朱塗りの広い回廊は、台風のときの中継でしばしはお目にかかるところです。
訪問時は丁度結婚式が済み、記念写真を撮っている最中でした。
白無垢の着物が赤い神社の色の中では逆に映えて見えたのでした。

 厳島神社を一通り見終え食事をした後、大元公園経由して大本山大聖寺の方向にぶらりを出かけます。
ここ大聖寺では、秀吉が朝鮮出兵のときに海上の安全を祈ったとされています。
大きなお経が鳴り響く中、傾斜地に作られた参道を歩いていきます。
一緒にいた外人は、いつ何のためにお経を上げているのかに興味があったらしく、盛んに質問をされたものです。

 さてここからは山沿いに紅葉谷公園まで、紅葉を見ながら歩きます。
紅葉が丁度見ごろで、まさに良い時期を選んでやってきたものです。
俗世間のことをすっかり忘れて、森林浴をしてきたのでした。

 紅葉谷公園を出てからは再び海側に下って行きます。
厳島神社からも見え気になっていた五重塔を目指します。
1407年に建立された五重塔は高さ29mの建物ですが、小高い丘の上にあるためどこからでも見ることができます。
その横の建物、豊国神社の「千畳閣」は秀吉の命で造営が始まりましたが、秀吉は完成を見ずしてこの世を去りました。
畳が約1000畳近くも敷けることから、このような名前になったと言われています。

 みどころいっぱいの宮島ですが、今夜はお好み焼きを食べるために、そろそろ広島市内に帰ることにします。

   
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