にっぽんの旅 中国 広島 三原

[旅の日記]

タコの町 三原 

 広島県の三原にやってきました。
ちょっと時間があるので、この辺りでブラリと立ち寄ることろはないかと探してみます。

 駅前には噴水があり、そこにはタコが乗っています。
そうここは、タコの町なのです。
広島県の中でも小島が多く水温が一定できれいな三原の海は、餌が豊富な岩場が多くマタコの絶好のすみかになっています。
特に三原タコの足は短くて太いのが特徴で、引き締まった身は歯ごたえがあります。
その三原のマタコ漁は、江戸時代より代々世襲制で脈々と引き継がれてきました。
そしてマタコの旬は、夏と冬。
産卵期で禁漁になる秋を除けば、年中食べることができるのです。

 それでは、その豊かな海の幸をもたらす海を見に行きましょう。
港に向かう途中の商店街に並ぶ飲食店には、タコ料理のビラが貼られています。
通りの車道と歩道を区切る車止めにも、タコが乗っています。
徹底した町ぐるみでタコをPRしているようです。

 5分も歩けば「三原港」に出ることができます。
「三原港」からは瀬戸内の島である因島や生口島へ渡る船が出ています。
訪れた時にはちょうど船が到着したばかりで、大きな荷物を背負った学生達が降りてきました。
船を使った学生旅行のようで、楽しそうにしゃべりながら去って行きました。

 海辺を歩いて行くと、タコの町らしくタコ壺が並んでいます。
この何の変哲もないただの壺で、タコ漁ができるのですから不思議です。
ここまでタコを見せつけられると、なんだかタコを食べてみたくなってきました。

 それでは、今度は三原駅の北側に移ります。
新幹線駅に面して「三原城址」があります。
今では天守台だけが残されています。
毛利元就の三男 小早川隆景は、1555年の「厳島の戦い」で水軍を率いて毛利勢に加勢します。
さらなる勢力拡大のために、隆景は三原湾に浮かぶ小島や中州をつないで砦を築き、水軍の拠点としました。
1567年に建てられたこの建物が、「三原城」です。
天守閣をもたない「三原城」ですが、本丸、二の丸、三の丸を築き、32の櫓と14の城門をもつ広大な城だったのです。
そして今いる天守台は、その広大な土地の北の端だった場所です。
駅の北側には、小早川隆景の像が目立たないように建っています。

 さて三原からは、新幹線での移動です。
なにかタコに関するものがないかと、土産物屋を探します。
駅では足を開いてはりつけ状態のタコの姿干しが売っていますが、これを持って新幹線に乗るわけにはいきません。
駅前の店ではタコしゃぶもありそうですが、こちらは帰りたくなくなってしまいそうです。
無難なところで、弁当「たこめし」を選びます(普通はこれでしょう)
そしてビールのあてには、これも瀬戸内で採れる醤油味のついた干した焼穴子です。
さあこれからも、楽しい電車の旅が続きそうな予感です。

       

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